2008年06月29日

前立腺癌の手術で尿漏れ−人工尿道括約筋で改善へ

前立腺は、男性の膀胱の近くにある臓器。がんの治療で摘出すると、前立腺に隣接する尿道括約筋が傷つくことがある。尿道括約筋は尿道を締めて尿漏れを防ぐ筋肉で、傷つくと尿が漏れる。

漏れる尿量が1日に100mlを超える重い尿失禁は、年間約2万件行われている前立腺の摘出手術の1%で起きているとみられる。東北大病院副院長(泌尿器科)の荒井陽一さんは「重い尿失禁には、人工括約筋の埋め込み手術しか、有効な治療法はない」と説明する。

人工括約筋は合成樹脂製で、尿道を締めたり緩めたりするカフと呼ばれる小さなリングや、直径約3・5センチの球などで構成され、腹部に埋め込む。

リングの締め付けを調節するポンプ(長さ約2センチ)を陰のう内に埋め込み、水の入ったチューブでリングと結ぶ。

リングは通常、尿漏れを防ぐために尿道を締めている。排尿時は、ポンプのスイッチを皮膚の上から押すと、リングに入っていた水が球へ排出されて締め付けが緩み、尿が放出される仕組みだ。スイッチを押すのをやめると、緩んだリングは水圧で、2〜3分かけて元の尿道を締める状態に戻る。

埋め込み手術にかかるのは約2時間だが、実際に人工括約筋を使えるのは、手術の傷が癒えた1か月半ほど後からという。

国内では1994年から約100件の手術が行われ、9割以上の患者が「日常生活に困らない程度まで尿漏れが軽くなった」としている。

ただ、課題もある。米国では年間4500件も行われている一般的な手術だが、国内では手術に熟練した医師が少ない。また、埋め込み手術の際に菌などに感染する合併症が約20%に発生、人工括約筋が作動しない例も5%起きている。

人工括約筋のメーカーが器具を改良したことから、国の認可が改めて必要となった。このため、各病院は現在、手術を一時中断し、今後の手術希望や治療の相談のみを受け付けている。

治療が再開された場合、一部保険がきく先進医療に指定されている病院もあるが、多くの病院では保険がきかず、全額自己負担で約150万円かかる。

荒井さんは「重い尿失禁で、おむつ代など経済的にも精神的にもつらい人は多いはず。器具に対する国の認可が早くおりて保険適用され、治療を普及させたい」と話す。
(人工尿道括約筋)


前立腺癌は、主に前立腺外腺(peripheral zone)より発生する腺癌です。臨床癌は50歳以上の男性に多く、高齢になるほど発生率が高いです。日本人の罹患率は、欧米諸国およびアメリカの日系移民より低いといわれています。同じ日本人でも、米国在住者の頻度は高く、食生活の関与が考えられます。

罹患率は、1975年以降増加していますが、その理由の1つとして前立腺特異抗原であるProstate Specific Antigen (PSA)という腫瘍マーカーによる診断方法の普及によると考えられます。

症状としては、発生部位が周辺部なので早期癌だけでは排尿障害などの症状はありません。ただし、肥大症と合併することが多く、排尿障害があることもあります。骨転移による症状も起こることがあり、骨の痛み、病的骨折、進行例では造血機能障害、発熱などがみられることもあります。

診断としては、直腸指診で大きさ、硬さ、被膜周囲の状態をみます。経直腸的超音波断層法(transrectal ultrasonography;TRUS)でも、同様に経直腸的に前立腺の大きさ、エコーレベル、被膜の状態がわかります。

前立腺特異抗原(prostate specific antigen;PSA)は、前立腺肥大症(BPH)でも上昇しますが、前立腺癌ではさらに上昇します。75〜95%の前立腺癌患者では異常高値(>4ng/ml)を示し、病勢,癌細胞の量をよく反映し、治療が奏功すると低下、前立腺全摘除術後は測定限界以下となります。

骨盤CT、MRIでは、前立腺の形態と骨盤内リンパ節の腫大を判定できます。骨シンチグラフィーでは、いずれかの骨に異常積像を認めれば転移が考えられます。

前立腺針生検では、確定診断ができ、経直腸超音波断層法ガイド下6ヶ所の生検を行います。血清PSA >10ng/mlでは癌発見率40%、血清PSA 4〜10ng/ml(グレーゾーン)では癌発見率10%であるといわれています。

手術については、以下のようなことが言えます。続きを読む


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大腸炎で体調を崩して静養中−高木ブーさん

タレントでザ・ドリフターズのメンバー、高木ブー(75)が27日、東京・高輪のホテルパシフィックで行う予定だったライブ出演を急病のため取りやめていたことが同日、分かった。

ウクレレ奏者としてアルバムを出すなど日本でも有数の腕前を持つ高木は、平成8年にハワイアンバンド「高木ブー&ニューハロナ」を結成。以来、都内を中心に演奏会を行ってきた。

27日も同ホテルでライブを開催する予定だったが、同ホテル関係者によると、同日昼に高木の所属事務所から「大腸炎のような症状で体調を崩し大事をとって安静にする」との連絡が入ったという。
(高木ブー、大腸炎で倒れる…ライブ出演急きょ取りやめ)


大腸炎大腸炎(盲腸炎、結腸炎、S状結腸炎、直腸炎、虫垂炎)では、腸管に発赤やびらん、時に潰瘍形成や出血がみられます。原因として病原大腸菌などの感染性腸炎によるものや、薬剤性大腸炎、偽膜性大腸炎、放射線腸炎、潰瘍性大腸炎などがあります。

一般的に腸炎は、病気の経過により急性腸炎と慢性腸炎とに分けられます。急性腸炎は、臨床的には下痢、悪心・嘔吐、腹痛などの症候を呈し、1〜2週の急性の経過をとるものを指します(病理学的には腸管の急性炎症性変化に対して使用される)。

急性腸炎の原因の多くは急性細菌性感染(細菌性食中毒に代表される)であり、乳幼児ではウイルス性感染、食品、抗生物質などがあります。食品による集団発生では、サルモネラ、腸炎ビブリオ、黄色ブドウ球菌、腸管出血性大腸菌の頻度が高いです。

最も頻度の高いサルモネラは、ニワトリ、ウシ、ブタなどの食肉が原因となります。腸炎ビブリオは生の魚介類を摂取で起こり、7〜9月の夏に多い食中毒です。カンピロバクター腸炎は主に鶏肉が原因となります。

非感染性腸炎では薬物、寒冷刺激、神経性、アレルギー性、暴飲暴食によるものなどがあります。

薬物性腸炎では、薬物によって腸内細菌叢の変化や腸粘膜に炎症、びらん、潰瘍を生じたり虚血を起こすため、下痢や下血をきたします。原因となる薬物は非ステロイド性抗炎症薬や抗菌薬などがあります。

非感染性のものでアレルギー性腸炎は小児に多く、特定の食物を摂取した場合に過敏性症状を呈します。症状としては下痢、嘔吐、腹痛が一般的です。

診断としては、以下のように行います。続きを読む


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過度な肥満に対する胃バイパス手術とは−KONISHIKIさん

KONISHIKIが行った胃のガストリックバイパス手術とは、胃の入り口を狭め、そのサイズが小さくなった胃と小腸をつなげる方法で、自然と摂取カロリーが抑えられるため、高い減量効果が期待できると言われています。

肥満の為の胃の手術、海外ではよく聞くけど、日本でやった話は、ほとんど聞きませんよね。あれって、海外だから出来る手術なの? 国内ではやれないの? 国内の肥満治療はどうなっているの?

そこで、国内での肥満治療を調べてきました。過度の肥満(病的肥満)になってしまって、自分では治せない場合、最も多いのが、入院して肥満治療を受けるというもの。

この肥満治療、食事療法と運動療法をメインにして減量するので、そこは自分でダイエットする場合と同じですが、肥満によって引き起こされた糖尿病や痛風など他の病気の治療も並行して行うところ、心臓や足に負担が掛かり過ぎないように、しっかり管理しながら治療を行うのが病院の入院治療ならではのメリット。

ただ、大きな問題になっているのが、退院後、リバウンドしてしまう患者が多いこと。病院では管理されていて、肥満治療仲間もいるけれど、自宅に帰れば自由な生活。すっかり元の生活パターンに戻って、体重も元に戻ってしまう場合が非常に多いのです。

だったらやっぱり、KONISHIKIの受けたような手術がしたい。胃に直接メスを入れて行う方法だと、我慢も要らないし、リバウンドの心配もなさそうだし……。
そんなことを思っているあなたに吉報です。

実は、日本でも、東京の四谷メディカルキューブで肥満手術を受けることが出来るのです。肥満手術を受ける場合、保険適応がない、手術できる病院が限られているといった現状はありますが、肥満で苦しい思いをしている人の最後の駆け込み寺なのかもしれません。


KONISHIKIさんが受けた手術は、胃を小袋に分けて小腸につなぐ「腹腔鏡下ルーワイ胃バイパス術」という手術だそうです。一般的には「ガストリック(胃)バイパス手術」と呼ばれます。

胃バイパス手術は、胃の上部を水平に遮断し小腸と縫合する方法です。胃を強制的に縮小し、食事摂取量を少なくさせる方法です。胃の入り口のほうに小さな胃の小袋(胃嚢といい、15ml〜30mlの袋)を作り、ここに十二指腸を繋ぎます。消化液を分泌している残りの胃(幽門側)は、小腸に繋いでいます。

この手術は、「どうしても食べることが止められない」といった病的な肥満(BMI32以上で糖尿病の合併がある、もしくはBMI37以上とアジア太平洋肥満外科会議で規定されています)の患者さんに対して適応となります。侵襲性も高いため、やはり過度な肥満で問題となる場合に行うのであって、安易に痩せるための手段と考えるべきではないでしょう。

いままでは空腹時で50mlあった胃の容量が、およそ1/3程度になってしまうので、強制的に「少量で満腹」になるようにするわけです。たくさん食べると吐いてしまったり、気持ち悪くなったりします。

もちろん、しっかりとした栄養管理も必要で、無理して食べ過ぎると小袋の部分が伸びてしまい、意味を成さない患者さんもいらっしゃるようです。ダラダラとお菓子を食べ続けたり、高いカロリーの飲み物を飲み続けたりするとことで、手術をした甲斐なく減量に失敗してしまう人もいらっしゃるようです。

また、胃切除後では、当然、その生理的機能が手術により損なわれるため、機能障害や代謝障害が出現することも少なくありません。たとえば、鉄やカルシウム、ビタミンの欠乏がおこる可能性があります。

消化液(膵液、胆汁、胃液など)の食道への逆流も起こる可能性があり、そのため、食後の上体挙上や就寝前2時間は食事をとらない、就寝時は枕1つ分くらい頭部を高くした状態にして物理的に逆流を防ぐ、などの工夫が必要となることもあります。

さらに、ダンピング症候群とよばれるものがあります。食後20−30分以内に冷汗、動悸、めまい、熱感、顔面紅潮などの全身症状と、腹鳴、腹痛、下痢、腹部膨満など腹部症状が4〜5分持続する早期の症状と、食後2〜3時間後に低血糖症状を伴う後期の症状に分けられます。

前者の早期症状は、食物の急激な小腸移行による循環血液量の減少と、上部空腸拡張および蠕動亢進が原因となります。後者の後期症状は、急激に吸収されたブドウ糖による高血糖に伴いインスリン分泌が亢進し、低血糖や低カリウム血症を起こすことが原因です。

こうした胃バイパス手術の他に、手術の方法による肥満症の改善方法としては、以下のような胃バルーンシステム(内視鏡的胃内バルーン留置術)といったものもあります。続きを読む


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2008年06月28日

不安定狭心症で倒れPTCAにより治療を受けた−松山千春さん

全国ツアー中の25日未明、滞在先で不安定狭心症で倒れ、心臓の緊急治療法である「経皮的冠動脈形成術」を受けた歌手、松山千春(52)。デビュー32年目、サラリーマンで言えばまさに働き盛りだが、なぜ突然、病に襲われたのか。

関係者によると、入院先の千春は食事も取れるぐらいに回復をしているが、当分の間、絶対安静の下、治療に専念する。

千春はデビュー前、恩人のラジオディレクターに「酒、女、たばこ」のいずれかを断つように迫られて以来、酒を1滴も飲んでいないというが、自他共に認めるヘビースモーカーだ。

また、最近ではステージやラジオで「糖尿病と闘うシンガーです」と持病の糖尿を常に意識していた。東京・世田谷井上病院の理事長、井上毅一医師は「糖尿病とたばこが心臓病には最も悪いんです」と指摘する。

「今回の処置は簡単に言えば、腕や太ももの血管からカテーテルを入れて、冠動脈を広げる治療法。以前は再発もあったが、最近はかなり少ない」と説明する。処置後、広げた血管が落ち着くまでは安静にする必要があり、その後は通常と変わらぬ生活ができるという。

「だが、糖尿病の治療を怠ると再発する可能性が非常に高い」と井上医師は警告する。心臓だけではなく、脳や腎臓にも重大なダメージを与えるというのだ。「今回はたまたま心臓だったということ。脳の血管が詰まる脳梗塞になっていたかもしれない」というから恐ろしい。

「今後、食事のコントロールが極めて重要になってくる。たばこはもってのほか。コンサートの激しい運動は血圧を上げ、発汗で水分が失われると血液が粘っこくなり、発作の危険性がある。まずは、無理なスケジュールを組まないことが肝心」とアドバイスする。

千春は、すでにツアーの残り7公演の中止を発表。8月29日に大阪城ホールで親友の歌手、やしきたかじん(58)と共演するはずだったが、出演は未定だ。
(糖尿病とたばこ…松山千春蝕んだ“最も悪い組み合わせ”)


不安定狭心症とは、最近3週間以内に狭心症が増悪した場合(発作の誘因、強さ、持続時間、硝酸薬の有効性)と、新たに発症した狭心症を指します。数ヶ月以上にわたって狭心症の病態が安定している安定狭心症に対比した分類です。

不安定狭心症の多くは、粥腫の破綻あるいは亀裂により血管内腔に血栓が形成され、血流量が減少することによると考えられています。この発症機序は心筋梗塞と同じであり、血栓が閉塞性で持続すれば心筋梗塞が生じます。

このように、心筋梗塞、不安定狭心症や非Q波心筋梗塞などの急激に発症する冠動脈に由来するイベントは、冠動脈硬化の進展と粥腫の破綻と修復機転としての血栓形成によって発症する一連の病態として、「急性冠症候群」と一括りの概念として捉えられることもあります。

心筋梗塞では完成された巨大な赤色血栓が、内腔を閉塞しているのが認められるのに対し、不安定狭心症や非Q波心筋梗塞では白色の血小板血栓による不完全な閉塞が観察されます。不安定狭心症は、急性心筋梗塞への移行や突然死の可能性が高い狭心症であると考えられています。

狭心症の症状としては、一般的には胸部圧迫感・絞扼感を伴った、数分〜数十分続く前胸部痛であり、ときに左肩への放散や冷汗・悪心などを伴います。上腹部痛やのどの痛み・胸やけで発症することもあり、消化器科を受診する場合や、胸の痛みに乏しく、背中の痛みや顎の張る感じ、または左肩の凝りが主体で整形外科を受診する場合などもあります。

必要な治療としては、以下のようなものがあります。続きを読む


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