2006年03月

2006年03月31日

滑車神経麻痺

各論III-4「視機能異常・視神経疾患」
(問題)
滑車神経麻痺では下方視での複視が強い。

(答え)○
(解説)
 滑車神経は純動物運動性の第IV脳神経である。脳神経のうちで最も細く、また脳の背側から出る唯一の神経である。
 菱脳峡の滑車神経核から起こり、下丘のすぐ後方で上髄帆小帯と上小脳脚との間から脳を去り、大脳脚をまわり側頭骨錐体尖の近くで脳硬膜を貫いて海綿静脈洞の上壁を走り、動眼神経の外側から上側方に向かって前進し、上眼窩裂を通って眼窩内に入り、上直筋、上眼瞼挙筋起始部の上を越えて上斜筋に分布する。故に上斜筋の障害により、下方視、内方視で複視をきたす

 ちなみに、単独障害よりは動眼神経とともに障害されることが多い。
 障害の検出法としては、Bielschowsky斜頸テストがある。これは、障害側に頭を傾けると障害側の眼が上転し、複視が増悪する。

[注]これは、医学評論社で毎平日更新中の一問一答を解説していく…という、不毛なことをやるコーナーです。

[参考URL]
医学ノート
膨大な項目を、丁寧に解説されています。是非、一度訪問を。
船戸和弥さんのHP
わかりやすいシェーマでわかりやすい解剖学のテキストが掲載されています。


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Crohn病&潰瘍性大腸炎

炎症性腸疾患
※拡大してください


○Crohn病
・10〜20歳代に好発
・腹部を中心とした下腹部痛(回盲部痛)を呈し、しばしば下痢、発熱、低蛋白血症、 体重減少、難治性痔瘻を伴う。
・WBC↑、CRP(+)、赤沈↑、α1アンチトリプシン↑
・注腸造影や内視鏡検査で、回腸末端を中心に区域性病変(Skip lesion)、縦走潰瘍、 Cobblestone appearance、痔瘻、肛門病変が見られる。
・生検により、全層性炎症、非乾酪性肉芽腫性病変がみられる
→Crohn病と診断
・First Chiceは栄養療法で、必要に応じて薬物療法(ステロイド、サラゾピリン、  ペンタサが基本)

○潰瘍性大腸炎
・若年成人に好発
・発熱、腹痛、下痢、血便or粘血便を繰り返す。
・注腸造影、内視鏡検査では、直腸により始まる連続性病変を呈し、ハウストラの消  失(鉛管状)と偽ポリポーシス・陰窩膿瘍
→潰瘍性大腸炎を疑う
・軽症例には薬物療法(サラゾピリン、ペンタサが基本)がFirst Chice
 重症例にはステロイド
・外科的治療の適応は、
 絶対適応:大出血、狭窄、穿孔、改善しない中毒性巨大結腸症、癌化
 術式:結腸全摘+直腸粘膜抜去+回腸肛門吻合

[ゴロ合わせ]Crohn病の特徴的所見
「SCA GF(スカンジナビアのガールフレンド)」
Skip lesion(非連続性病変)          
Cobblestone appearance(敷石像)          
All layer lesion(全層病変)         
Granukoma(類上皮肉芽腫の存在)
Fissure(瘻孔、裂溝の存在)

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2006年03月30日

動眼神経麻痺 Argyll Robertson瞳孔

各論III-4「視機能異常・視神経疾患」
動眼神経麻痺ではArgyll Robertson瞳孔がみられる。

(答え)×
(解説)
 アーガイル ロバートソン瞳孔とは、Argyll Robertsonによって神経梅毒に特異な瞳孔所見として1869年に発表された(過去においてはArgyll Robertson瞳孔が神経梅毒に高頻度に出現したが、近年は、糖尿病,多発性硬化症,脳炎,中枢神経系の変性疾患,アルコール中毒など、非梅毒で本瞳孔を呈する頻度が高まっている)。詳しい病態は不明だが、脊髄癆や中脳の障害で出現する
その主徴は、1)直接および間接対光反応の欠如,2)迅速な輻湊反応(近見反応は正常),3)縮瞳である(対抗反射は消失するが、輻湊反射は保たれる)。症状は一般に両眼性であるが瞳孔不同や脱円をみることが多い。

 動眼神経(第3脳神経)の完全麻痺では、眼球の上転,下転,内転ができなくなり、眼瞼下垂を生じ、眼球は外下斜する。また瞳孔の散大,対光反応,輻湊反応の消失,調節麻痺が出現する。これらの動眼神経麻痺の症状は、神経走行中の障害の部位によって特徴がある。病変が全動眼神経核を侵すことはまれであるが、この部が障害されると、病変側の眼球運動制限が出現し、眼球上転障害は反対側にも出現する。これは上直筋核は交叉性支配であるが、反対側からの上直筋支配神経線維が病変部位を通り、中脳から脳外へ走行するため病変側の上転も侵される。
 また上眼瞼挙筋支配核は両側支配であるため眼瞼下垂は両側性に出現する。赤核の障害では同側の動眼神経麻痺に反対側の不随意運動や筋緊張亢進を合併するベネディクト症候群が起こる。
 また病巣が大脳脚にあると同側の動眼神経麻痺と反対側の半身運動麻痺を起こすウェーバー症候群(ウェーバー麻痺Weber's paralysis)が出現する。
 このような脳幹内病変は、血管性,腫瘍,脱髄などが病因である。動眼神経が脳幹を出て海綿静脈洞内に至る間での病変は、腫瘍,髄膜炎,動脈瘤,糖尿病,動脈硬化症,外傷などによることが多い。
 治療としては、病因に対するものが重要である。糖尿病性のものは一般に予後がよい。発病後6ヵ月以上経て症状が固定した斜視には、斜視手術や自己眼筋移植術などが行われる。

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2006年03月29日

うっ血乳頭 蛍光眼底造影法

各論III-4「視機能異常・視神経疾患」
うっ血乳頭の診断には蛍光眼底造影法が有用である。

(答え)○
(解説)
 蛍光眼底造影法とは、蛍光物質(フルオレセイン)を静注後、それが眼底部の血管を通過するところを撮影する検査である。網膜の循環動態、網膜血管の透過性(浮腫)および網膜色素細胞層の性状、新生血管の有無の判定に必須である。網脈絡膜や視神経乳頭部に病変があり、動静脈に異常をきたす疾患に有用である。例としては、原田病、糖尿病網膜症、中心性漿液性網脈絡膜症、うっ血乳頭、加齢黄斑変性、網膜静脈閉塞症などである。

 うっ血乳頭とは、視神経乳頭の非炎症性,受動性の浮腫を意味し、臨床的には、炎症所見のない乳頭の異常隆起と、乳頭境界の不鮮明化,乳頭周囲の同心性の網膜ひだ(Paton線)とが重要所見である。
 原因は、頭蓋内の占拠性病変による脳圧亢進が最も重要である。脳圧亢進(頭蓋内圧亢進)が原因で乳頭隆起の著明なものを、うっ血乳頭と呼ぶこともある。脳圧亢進としては脳腫瘍、ことにテント下腫瘍と側頭葉の腫瘍,クモ膜下出血,脳水腫など、そのほか、眼窩内病変,低眼圧などの局所的要因,悪性高血圧,血液疾患,大量出血,肺気腫などの全身的要因も原因となる。初期には視力は良好であるが永続すると一過性視力障害が始まり、さらにこれが持続性となると、視神経萎縮をきたし視力は低下する。


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