2007年08月

2007年08月31日

約300トンの電車を歯で引っ張る男性

クアラルンプールで30日、「歯王」と呼ばれるラサクリシュナン・ベルさんが、重量約300トンの電車を歯で引っ張る試みを行った。

ベルさんは、自身が4年前に樹立した最高記録の更新に挑戦した。
(マレーシアの「歯王」、約300トンの電車を歯で引っ張る)


歯は、大きく分けて、歯冠と歯髄に分けられます。外からも見える部分は、歯冠と呼ばれていて、その下の深い部分を歯髄と呼びます。

歯冠は、エナメル質という表面の硬い物質に覆われています。実は、エナメル質は体の中で最も硬い組織といわれています。約96%がヒドロキシアパタイトを主成分とする無機質で、残りの4%が水と有機物から成っています。その下の象牙質は、歯の主体をなす硬組織で、約70%がヒドロキシアパタイトを主成分とする無機質、20%が有機物、10%が水からできています。

歯髄は、歯根全面を覆う硬組織であるセメント質の部分と、歯の中央部に存在する歯の外形とほぼ一致している空洞である歯髄腔からなっています。セメント質は、約60%がヒドロキシアパタイトを主成分とする無機質、25%が有機物、15%が水からできています。歯髄の中には神経や血管が存在しています。

上記の通り、歯は非常に硬く強い組織であると考えられます。何気に食事をするときに咀嚼をするかと思いますが、実は噛む力の平均値は男性で60Kg、女性は40Kgであるとされています。軽く、体重程度の力を持っていることになります。

上記のニュースでは、レールの上とはいえ、約300トンの電車を歯で引っ張るというもの凄い記録を出したというもの。もちろん、噛む力はスゴイのでしょうが、引っ張る力や踏ん張る力は、途轍もないものなのでしょう。

ただ、習慣的に噛みしめ過ぎるクセ(ブラックシズム)があると、前歯のみを噛みしめすぎて、前歯が異状破折や摩耗したり、歯が離開してしまい、臼歯が浮いてしまうといったことが生じてしまいます。結果、不正咬合が起こって、腰痛・肩こり・眼精疲労、手足のしびれなどの体調不良の原因になってしまうことがあります。

果たして、彼の歯がどのような状態か気になるところです。くれぐれも、真似しようなどと考えない方が良いかもしれませんね。

【関連記事】
自称「歯科医」 29年間無免許治療の男を逮捕

頭部外傷とは:頭痛の原因は…頭に埋まった「歯」

歯の「インプラント」手術中、出血止まらず死亡

「歯並びが悪い」での受診は3割

にほんブログ村 病気ブログ 医療・医者へ

お見舞いが多い末期癌患者は、長生きする?−ホーソン効果とは

ホーソン効果については、まずその由来をお話しましょう。シカゴの近郊のホーソンの工場で、作業環境が生産性にどう影響するかを測定するテストが実施されました。照明が工場での作業に対してどのように影響するかを計測したのです。

最初は、照明をいつもより明るくすると、生産性が上昇すると記録されました。しかし次に逆に照明を暗くしてみたところ、生産性はさらに向上しました。これは一見すると不思議な現象です。

作業効率が向上した原因を分析した結果、「工場の幹部や同僚の関心を集める中で実験したため、作業者が注目されているという意識で生産性を高めた」という結論に達しました。この結果は、地名にちなんで「ホーソン効果」と命名されました。

つまりホーソン効果とは、人が潜在的に持つ心理状態が関係しているのです。他と違った扱いを受けることに魅力を感じ、注目されることを好み、何か新しいものに好奇心を持つ心理です。

言い換えると特別扱いされたり、特別なものを手に入れたりして、自己顕示欲を満たされると、快感や幸福感を感じて、自分の能力や体調がよりよい方に向かうことがあるのです。ホ−ソン効果はけっして悪い物ではありません。

末期癌などの終末期医療を行うホスピスでは、同じような悪性腫瘍の末期患者では、お見舞いが多い方が長く生存することが証明されています。
(注目されると頑張ってしまうホーソン効果)


今は亡き「あるある大辞典」を始めとした実験番組などでも、注目されている被験者には特別な効果が働いているのではないか、とボンヤリと思っていましたが、その名をホーソン効果、と言うそうです。

何故、この話題になったかというと、上記の話は『民間療法で病気が「治る」、本当の理由』というものの一部です。筆者の西園寺克先生によれば、これにはプラシーボ効果とこのホーソン効果が働いている、とのこと。

知人に「効果があるんだよ」と薦められて、ある健康食品を試し始めたというシチュエーションを考えます。その健康食品を継続して食べ始めていると、薦めてきた知人からは、会うたびに体の調子を質問されます。その後、「実は今、試している健康食品があるんだ」と話した、周囲の人からも体調について聞かれることが増え始めた、とします。

この状況において、知人に効果を説明されたことで、プラシーボ効果が生まれ、知人や周囲からの関心や質問は、ホーソン効果を生み出されたのではないか、と考えられます。

「鰯の頭も信心から」とは良く言ったものと思います。民間療法に走り、結局は高いお金を使っただけで癌を進行させ、病院へ戻ってくる、という患者さんが結構いらっしゃるということを聞いていたので、民間療法に懐疑心や嫌悪感を抱いていましたが、民間療法に「効果がある」と思っている患者さんの希望を砕いてはいけない、と思い知らされました。

【関連記事】
「ドクターズ レストラン」次々登場−1日に必要なカロリー量の計算

睡眠時無呼吸症候群の検査:眠りの深さを簡単計測

正しい脈の測り方と不整脈

にほんブログ村 病気ブログ 医療・医者へ

「医師の開業を支援します」新サービス開始−テンプスタッフ

人材サービスのテンプスタッフはオリックスと組み、9月から医師の開業を支援する事業に乗り出す。物件探しから資金調達、職員の採用、開業後の経営指導まで一括して請け負う。労働環境が過酷な勤務医を辞めて開業する医師が増えており、診療所の開設数は増加傾向にある。勤務医としての業務と並行しながらの開業準備は負担が大きいため、一括代行の需要は大きいとみている。
 
子会社のテンプスタッフ・メディカライズ(東京・渋谷)が看護師など職員の採用や研修、全体のコンサルティングを提供。オリックスが資金調達や物件の選定、医療機器のレンタルなどを担当する。
(テンプスタッフ、医師の開業支援・オリックスと組む)


たしかに、需要はあるでしょうね。凄いところに目をつけたと思います。
まるで、ファミレスやコンビニのフランチャイズ出店のように、必要十分なものを提供してくれるとなれば、事業的に失敗する可能性は低くなるのではないでしょうか。物件探しから、開業後の経営指導まで一括して請け負うというノウハウは、医師が一から学んでいくより、経営面で非常に効果を上げるものと思われます。

ですが一方で、開業医が増えることによる弊害も出てくるのではないでしょうか。勤務医が激務であるのは、こうした開業医の増加により、人手が足りないことが問題となっているからで、さらに人員不足に拍車を掛けてしまうことが考えられます。

さらに、十分な修練を積まないうちに開業してしまう医師も出てきてしまうのではないでしょうか。そうなると、全体的な医療サービスの質が下がってしまったり、重大な疾患を見落としてしまったり、医療ミスの増加に繋がってしまうのではないか、と危惧されます。

これから開業すると考えている先生達には、朗報とも言えるかも知れませんが、一方で勤務医を中心とした医師不足といった問題に与える影響もあるのではないか、と心配されます。

【関連記事】
「余っている医師、派遣します」−厚労省の新派遣システム

「Dr.コトー」を奨学金で育成 9年間勤務を条件に学費全額支給

医師不足対策:31府県が奨学金タダ 医大生にUターン条件

医師不足で「医師バンク」を設立へ

にほんブログ村 病気ブログ 医療・医者へ

何故?ニオイ対策に銀イオンが高い効果をもつワケ

銀が使われる理由としては抗菌効果が高いからです。銀は水中に溶出することで発生する銀イオンの状態で殺菌力を発揮します。銀イオンは各種のバクテリアの細胞に強く吸着し、バクテリアの細胞酵素をブロッキングして死滅させます。においの元となる細菌を死滅させればいいわけなので、以前に紹介された「アルコールでワキのにおいが抑制できる」原理と一致するわけです。

銀イオンの殺菌効果は絶大で、ブドウ球菌、サルモネラ菌、赤痢菌、クレブシェラ、レジオネラ、シュードモナス、ポリオウィルス、ロタウィルス、ヘルペスウィルスをはじめとして多くの細菌、ウィルスに効果があることが認められています。

しかし、抗菌効果があるとはいえなぜ銀が抗菌剤、及び制汗剤などに選ばれて使用されているのでしょうか。金属はアレルギーを起こすこともあり、大丈夫なの? と思う人もいるでしょう。金属アレルギーはピアス穴を通したりすることにより、組織液に金属が溶け出し、アレルギー反応を引き起こしてしまうことです。最もアレルギー反応を起こしやすいのがニッケルで悪質な店ではシルバーアクセサリーにニッケルが含まれています。銀自体ではアレルギーを引き起こしたという報告はありません。

5〜10ppbという微量濃度で大腸菌を死滅させるような銀イオンがなぜ人体に影響がないのか。実は銀は体内に取り込まれてもすぐに体外に排出されるのです。飲み込んだとしても銀イオンは胃酸の中の塩酸に触れるとすぐに不溶性のAgClとなり吸収されることなく排出されます。

これは中世ヨーロッパの時代から銀の食器が使用され現代までにその毒性となる報告が見つかっていないことからもわかることでしょう。それどころか銀は食品添加物としても使用され、水道の蛇口の浄水器の内部抗菌にも銀が使用されているくらいなのです。このように抗菌力、安全性を兼ね備えているため抗菌剤の主成分となっているのです。
(ワキの下のニオイ対策に銀イオンが高い効果を発揮)


悪臭の原因となるのは、以下のようなものがあります。
・脂肪酸系(ハロゲン、アルデヒド類:刺激臭の代表的なものなど)
・窒素化合物系(アンモニア(NH3)、酸化チッソ(NO2)、ヘプトン類など肉類の分解過程に発生するものなど)
・硫黄化合物系(イオウ酸化物(SO2)、メチルメルカプタン(CH3SH)、硫化水素(H2S)、ジメチルサルファイト((CH3)2S)など)

腋の下のニオイなどは、アポクリン汗腺が多いために起こってくると考えられます。
汗腺は大きく分けてエックリン汗腺とアポクリン汗腺があります。

アポクリン汗腺から出る汗の成分は、タンパク質、糖類、アンモニア、鉄分、色素、蛍光物質、脂質、脂肪酸などで、エックリン汗腺が出す汗よりも粘り気があり、本来は無臭だといわれています。ですが、細菌などによって分解され独特の臭いを発し、これがワキガの原因になります。

銀イオンが高い消臭効果をもつのは、抗菌効果が高いからで、ワキのニオイなどを低減させるのには、効果的であると考えられます。また、上記の通り、非常に毒性が低い金属といわれています(製菓材料のアラザンや、昔ながらの清涼剤である仁丹の表面の銀色に使われています)。

香りで誤魔化すのではなく消臭を望むのなら、一度、銀の力を使ってみてはいかがでしょうか。

【関連記事】
臭素とは:代ゼミで異臭騒ぎ 化学の授業中「臭素」こぼす

本当は怖い臭いおなら−大腸憩室炎

本当は怖い口臭〜誤嚥性肺炎〜

にほんブログ村 病気ブログ 医療・医者へ
最新記事









ページランキング
ブログパーツ
Archives
Links
よろしければどうぞ
Add to Google
My Yahoo!に追加
本サイトについて
  • 2006年02月27日より運営している医学系ニュースサイトです。
  • 当初はレポートの掲載や医師国家試験の問題解説を行っていましたが、そちらは『医学生のレポートやっつけサイト』に移行しており、こちらは医学ニュースを取り扱うこととなりました。
  • 国内の3大疾病である癌、脳卒中、心筋梗塞から稀な難病、最新の治験・治療法など、学んだことを記していきたいと思います。時には微笑ましいニュースから、社会的な関心事となっている医学の問題、感動的な闘病記など、幅広く取り扱っていきたいと思います。
  • 誤りなど、ご指摘がございましたらコメント欄にお願いいたします。返事は遅れるかも知れませんが、できるかぎり対応したいと思います。またコメントに関しては、返事はしていなくとも、全て読ませていただいています。
livedoor Readerに登録
RSS
livedoor Blog(ブログ)