2007年11月

2007年11月30日

診療報酬体系の見直しだけでなく、薬価も引き下げへ

厚生労働省は28日、医薬品の公定価格が、市場実勢価格を約6・5%上回っていたとする医薬品価格調査(速報値)を厚生労働相の諮問機関・中央社会保険医療協議会(中医協)に報告した。この結果、価格差(乖離率)是正のため、平成20年度の診療報酬改定での薬価改定率は1%弱の引き下げになる見通しとなった。医療費の国庫負担は約800億円の圧縮が見込まれる。

調査は今年9月の取引分を集計した。価格差の内訳は、内服薬6・4%、注射薬7・4%、外用薬5・5%、歯科用薬剤6・6%だった。

厚労省は20年度予算の概算要求基準(シーリング)で社会保障費約2200億円の抑制を求められているが、薬価改定で約800億円分にめどが立った形だ。

今後、医師の技術料などの診療報酬本体部分の改定率に焦点が移るが、中医協は28日、20年度の診療報酬改定について
1)勤務医対策を重点課題として評価を行う
2)本体部分はさらなるマイナス改定を行う状況にはない
3)後発医薬品の使用促進を着実に推進する

−との意見書をまとめた。

ただ、意見書は、健康保険組合連合会など支払い側が、医療資源配分のゆがみやムダの是正による範囲内で行うべきと主張したのに対し、医師会など診療側は、診療報酬の大幅引き上げの実現を行うべきだとし、意見に食い違いがあった−とも付け加えた。
(薬価1%弱引き下げ 国庫負担800億円圧縮)


厚生労働省は今年の5月に、病院の勤務医に比べて高く設定されている開業医の初診・再診料などを2008年度から引き下げる方針を固めたと発表しています。あわせて開業医の時間外診療や往診などの報酬引き上げを検討していたそうです。中央社会保険医療協議会で引き下げの検討が始められ、来年初めまでに下げ幅を決めるそうです。

こういった動きは、開業医の収益源を見直して夜間診療などへの取り組みを促し、医療現場や医療サービスでの担い手不足解消につなげることなどを目的としています。

勤務医の労働は、夜勤明けに再び診察に当たらなければならないなど過酷な面があり、とくに産科医や小児科医は深刻であり地域的な格差もあるといったことを受けたものであると思われます。方針案では病院で働く医師の負担軽減を緊急課題として挙げ、産科や小児科の診療報酬について加算を求めています。

こうした診療報酬体系の見直しだけでなく、薬価も引き下げが検討されているとのことです。薬価とは、以下のような説明が出来ると思われます。続きを読む

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救急車を私物化した議員−救急搬送における問題

イタリアの検察当局は29日、混雑するローマの交通を出し抜くため救急車を利用したグスタボ・セルバ上院議員(81)について、詐欺罪で裁判所に提訴した。

保守派の同議員は6月、ブッシュ米大統領の訪問で交通規制が敷かれ道路が混雑していた際に、仮病を使って救急車を利用し、テレビのトーク番組に駆け付けたと述べていた。さらに、救急チームの「スピードと効率性」をたたえる発言もしていた。

この行為に対しては、国民から非難の声が上がり、保健当局者も、本当に救急車を必要としていた誰かの命を危険にさらしたかもしれないと警告した。

セルバ上院議員は、このスキャンダルを受けて辞任を申し出たが、すぐに方針を転換し、現在も上院議員を務めている。
(救急車でTV番組に駆け付けた伊議員、裁判の可能性)


上記のニュースは、言語道断といった感じですが、国内での状況も人ごととは言っていられない状況にあります。救急搬送の件数は年々増え続けており、東京消防庁によると、都内だけでも救急車の出動件数は、1995年の44万8,450件から、2005年には69万9971件となっています。

この背景としては、最近、軽傷であっても救急外来に運ばれてくる人や、救急車をタクシー代わりにしてしまうような人が出ているなど、緊急性の低い人が使用していることが背景にあるといわれています。

そのため救急車の到着が遅れ、なおかつ、そういった患者さんに対応するため、本当に緊急性の高い上記のような人を受け入れることが出来ない、といったことが起こっていると考えられます。

福島市では、乗用車にはねられた女性の搬送先の病院が約1時間決まらず、約6時間後に死亡した、という事例がありました。救急搬送される際、4つの病院に計8回受け入れを断られ、約1時間後に別の病院に搬送されたが、事故から約6時間後に脳挫傷で死亡してしまったそうです。

この件を受け、以下のような対策が取られたそうです。続きを読む

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肋骨骨折や胸部の火傷、内出血…携帯電話の爆発ではなく事故だった

韓国の採石場で働く33歳の男性作業員が変死体が見つかり、警察と検視担当医が29日に男性の胸元に燃えた状態の携帯電話があったと発表した事件に関し、警察は30日、被害者の同僚が職場で起こした事故を隠すためうそをついていたと発表した。

警察が携帯電話のバッテリーが爆発した可能性を捜査していたところ、29日夜になって、死亡した男性と同じ採石場で働く同僚の作業員が、自分が建設用車両をバックさせる際に誤って男性を岸壁に抑えつけて殺害した上で携帯電話の爆発という作り話をしたと自供した。

検視を行った大学病院の医師は、被害者の男性は胸にやけどをしていたほか、肋骨は骨折し、内出血も見られたと述べた。

地元メディアによると、警察は現在、携帯電話が燃えた原因について、男性を壁に抑えつけた際の強い圧力で燃えたのか、同僚の作業員が故意に燃やしたのかを捜査している。
(「携帯電話爆発で男性変死」は事故隠すためのうそ)


担当医だという医師の胸部レントゲンを用いた説明によると、「多発肋骨骨折がみられ、脊髄の損傷もみられた。心臓も右側にシフトしていた」とのことです。

これだけですと、胸部の熱傷もあり「爆発による損傷か?」などと思ってしまいますが、鑑識によると損傷が脊髄、左腕、右手薬指の骨折などにも及んでおり、ここまで広範囲に強い衝撃がバッテリーの爆発によって起こるとは、やはり考えにくいように思われます。実際、さまざまな偽証や工作を行ったようですが、あっさりとバレてしまっています。

実際には工事現場の同僚による重機による車両安全事故であったそうです。こうした"ある程度のスピード以上での自動車事故"や"高所からの転落"など、目に見える徴候がなくても、受傷機転から考えて生命に危険のある損傷を負っている可能性が無視できない状態を高エネルギー外傷といいます。

高エネルギー外傷の患者さんの場合は、以下のような対処を行います。続きを読む

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2007年11月29日

慢性疾患の通院患者に「定額払い方式」導入へ?

厚生労働省は28日、75歳以上を対象に平成20年度からスタートする後期高齢者医療制度に関し、慢性疾患を抱える通院患者に対して年間診療計画の作成や検査料などの定額払いを行い、継続的に病状管理していく方針を、厚生労働相の諮問機関・中央社会保険医療協議会(中医協)に示した。また、重複投薬を防ぐため、医師や薬剤師に薬局で配布する「お薬手帳」の内容確認も義務付ける。20年度の診療報酬改定で実現を目指す。

後期高齢者は糖尿病や高血圧などの慢性疾患で長期間通院するケースが多く、診察内容は経過観察や継続的な指導が中心。新制度では、これらの患者の継続的な医学管理を、かかりつけの主治医に担当してもらう考えだ。

具体的には、主治医が治療方針や1年間の検査予定などを分かりやすく記入した年間診療計画書を作成し患者に提供。治療費の高騰を防ぐため、医師による指導、検査、画像診断などを包括して計算する定額払いも導入する。かかりつけ医に対しては研修の受講を義務付け、新制度の周知徹底を図る。

また、後期高齢者の薬歴管理として「お薬手帳」を積極活用する。調剤時に「手帳」へ薬剤情報や注意事項を記入した場合に調剤報酬を上乗せするほか、医師や薬剤師には「手帳」などで患者の服薬状況を確認することを義務付ける。
(外来患者に定額払い方式導入 後期高齢者医療で厚労省が提案)


厚生労働省は11月に、75歳以上を対象に平成20年度からスタートする後期高齢者医療制度について、初診料を現行より引き上げ、再診料は下げる方針を中央社会保険医療協議会(中医協)に示していました。

この方針を取り入れた理由としては、初診時には患者の病歴や受診歴に加え、利用中の医療・介護サービスなどを詳細に聞き取る必要があり、時間や手間がかかる。ただ、治療が長期化する高齢者は、2回目以降の治療は慢性疾患の経過観察や継続的な管理・指導が中心となるため、再診料は引き下げが適当、としたようです。

治療が長期化傾向にある75歳以上の診療報酬については、若年世代と別体系にする、といった考えのもとに議論が進められていたようですが、上記ニュースでも同様の枠組みの元に考えたようです。

たしかに、増え続ける医療費の負担を考えると、定額制による抑止力を必要とする考えは分かります。さらに、薬歴管理を行い、不必要な薬剤投与や服薬状況の確認義務づけは患者さんにとっても有益なことかもしれません。しかしながら、この制度の問題点としては、以下のようなものがあると思われます。続きを読む

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