2008年02月
2008年02月29日
乳癌治療後、「乳房切除後疼痛症候群」に
乳がんは、血液やリンパ液にのって全身に転移するため、手術では、わきの下のリンパ節を切除することが多い。その際に、リンパ節の間を走る肋間上腕神経を切除したり、引っ張ったりして傷つき、痛みを引き起こす。これが、PMPSだ。手術中の神経への血行障害も関連するといわれる。
外科手術の直後はたいていの患者が、傷跡の炎症が原因で痛みを感じるが、鎮痛薬が効き、徐々に和らぐ。ところが、PMPSには、こうした薬は効かず、痛みが3か月以上続き、慢性化する。
がんを摘出した側の乳房やわきの下、上腕の内側に、ヒリヒリ、チリチリとした感覚を覚え、触ったり、下着や衣服がすれると痛みが増すので、ブラジャーもつけられない。人とぶつかると痛いので、満員電車や人込みを避けるようになる。
厚生労働省研究班が2004年に痛みの有無や程度、場所についてアンケート調査をしたところ、再発のない患者976人(手術後平均8・8年)のうち、21%が、PMPSと思われる慢性的な痛みを抱えていた。
乳房の全摘か、温存かによって発症率に差はない。ただ、手術中や術前にわきの下のリンパ節転移の有無を診断する「センチネルリンパ節生検」で切除範囲を最小限にすると、半減するとの報告がある。自然に痛みが治ることもあるが、茨城県の主婦のように手術後20年たっても続くことも珍しくないという。
治療は、痛みを専門にする麻酔科やペインクリニックが担当する。慈恵医大(東京・港区)ペインクリニックには全国からPMPSの患者が訪れる。治療では、神経の過敏状態を抑えることで痛みを感じにくくする効果のある抗うつ薬(三環系抗うつ薬など)や抗けいれん薬を就寝前に服用する。このタイプの抗うつ薬には、口の渇きや便秘などの副作用があるが、鎮痛には、うつ病患者に使われる数分の1の量の投与量で済む場合が多い。効果を見ながら、投与量を増減していく。
服薬期間は最短で3〜6か月、長ければ数年に及ぶ。手術から間もないほど、服薬期間も短くなる傾向がある。慈恵医大を訪れる患者には、痛みが強くて介護の仕事をやめてしまった人、寝たきり同様だった人もいる。担当医の小島圭子さんは、「適切な治療をすれば治すことができるのに、情報が行き届かずあきらめている人が少なくない」と指摘する。
厚生労働省研究班の調査でも、痛みを抱える人の66%が「あきらめている」、26%が「治療の情報が欲しい」と答えており、「治療を受けて満足」と答えたのはわずか5・6%と、治療法についての情報が伝わっていない実態が明らかになった。
手術後の慢性的な痛みは、PMPS以外にも考えられるので、問診や触診による鑑別が重要だ。腕がむくむリンパ浮腫や、筋肉のひきつれによる痛みもある。その場合は、マッサージなど理学療法が中心になる。また、新たに痛みが出てきたり、急に増したりした場合は再発や転移の可能性もあるので画像診断や血液検査で確認する必要がある。
(乳がん手術後の慢性痛)
疼痛(痛み)は、ケガをしたときなど組織の傷害によって生じる不快な感覚情動体験、あるいは心因のみによって生じる同様の体験を指します。痛みの原因から大きく分けて、中枢性疼痛、末梢性疼痛、心因性疼痛に分類されます。
中枢性疼痛とは、三叉神経二次ニューロン、脊髄視床路や視床のVPL核、VPM核などの中枢病変によって起こり、顔面や頭皮の痛みや焼けるような感覚があります。
末梢性疼痛とは、外部刺激や組織の病変などにより生じる、侵害受容性の痛みを指します(ケガをして生じるような痛みは、一般的にこちらに分類されます)。
心因性疼痛は、神経系に器質的病変がなく末梢からの刺激がないにもかかわらず、痛みを生じるものを指します。
疼痛は、主観的な症状であり、それを客観的に評価することは難しいのではないでしょうか。視覚アナログ尺度(VAS)やフェイススケール(faces scale)といった痛みの評価法はありますが、患者さんの訴える痛みを十分に理解するのは困難であると思われます。
上記のように、手術後に生じる痛みを術後疼痛といいます。術後疼痛は、神経損傷に伴う痛みが慢性化すると神経因性疼痛へ移行し、難治性となります。一般的には「先取り鎮痛」といって、局所麻酔薬と麻薬の持続硬膜外注入・非ステロイド性消炎鎮痛薬の組み合わせによって、予防することが重要とされます。
神経因性疼痛とは、以下のようなものを指します。続きを読む
外科手術の直後はたいていの患者が、傷跡の炎症が原因で痛みを感じるが、鎮痛薬が効き、徐々に和らぐ。ところが、PMPSには、こうした薬は効かず、痛みが3か月以上続き、慢性化する。
がんを摘出した側の乳房やわきの下、上腕の内側に、ヒリヒリ、チリチリとした感覚を覚え、触ったり、下着や衣服がすれると痛みが増すので、ブラジャーもつけられない。人とぶつかると痛いので、満員電車や人込みを避けるようになる。
厚生労働省研究班が2004年に痛みの有無や程度、場所についてアンケート調査をしたところ、再発のない患者976人(手術後平均8・8年)のうち、21%が、PMPSと思われる慢性的な痛みを抱えていた。
乳房の全摘か、温存かによって発症率に差はない。ただ、手術中や術前にわきの下のリンパ節転移の有無を診断する「センチネルリンパ節生検」で切除範囲を最小限にすると、半減するとの報告がある。自然に痛みが治ることもあるが、茨城県の主婦のように手術後20年たっても続くことも珍しくないという。
治療は、痛みを専門にする麻酔科やペインクリニックが担当する。慈恵医大(東京・港区)ペインクリニックには全国からPMPSの患者が訪れる。治療では、神経の過敏状態を抑えることで痛みを感じにくくする効果のある抗うつ薬(三環系抗うつ薬など)や抗けいれん薬を就寝前に服用する。このタイプの抗うつ薬には、口の渇きや便秘などの副作用があるが、鎮痛には、うつ病患者に使われる数分の1の量の投与量で済む場合が多い。効果を見ながら、投与量を増減していく。
服薬期間は最短で3〜6か月、長ければ数年に及ぶ。手術から間もないほど、服薬期間も短くなる傾向がある。慈恵医大を訪れる患者には、痛みが強くて介護の仕事をやめてしまった人、寝たきり同様だった人もいる。担当医の小島圭子さんは、「適切な治療をすれば治すことができるのに、情報が行き届かずあきらめている人が少なくない」と指摘する。
厚生労働省研究班の調査でも、痛みを抱える人の66%が「あきらめている」、26%が「治療の情報が欲しい」と答えており、「治療を受けて満足」と答えたのはわずか5・6%と、治療法についての情報が伝わっていない実態が明らかになった。
手術後の慢性的な痛みは、PMPS以外にも考えられるので、問診や触診による鑑別が重要だ。腕がむくむリンパ浮腫や、筋肉のひきつれによる痛みもある。その場合は、マッサージなど理学療法が中心になる。また、新たに痛みが出てきたり、急に増したりした場合は再発や転移の可能性もあるので画像診断や血液検査で確認する必要がある。
(乳がん手術後の慢性痛)
疼痛(痛み)は、ケガをしたときなど組織の傷害によって生じる不快な感覚情動体験、あるいは心因のみによって生じる同様の体験を指します。痛みの原因から大きく分けて、中枢性疼痛、末梢性疼痛、心因性疼痛に分類されます。
中枢性疼痛とは、三叉神経二次ニューロン、脊髄視床路や視床のVPL核、VPM核などの中枢病変によって起こり、顔面や頭皮の痛みや焼けるような感覚があります。
末梢性疼痛とは、外部刺激や組織の病変などにより生じる、侵害受容性の痛みを指します(ケガをして生じるような痛みは、一般的にこちらに分類されます)。
心因性疼痛は、神経系に器質的病変がなく末梢からの刺激がないにもかかわらず、痛みを生じるものを指します。
疼痛は、主観的な症状であり、それを客観的に評価することは難しいのではないでしょうか。視覚アナログ尺度(VAS)やフェイススケール(faces scale)といった痛みの評価法はありますが、患者さんの訴える痛みを十分に理解するのは困難であると思われます。
上記のように、手術後に生じる痛みを術後疼痛といいます。術後疼痛は、神経損傷に伴う痛みが慢性化すると神経因性疼痛へ移行し、難治性となります。一般的には「先取り鎮痛」といって、局所麻酔薬と麻薬の持続硬膜外注入・非ステロイド性消炎鎮痛薬の組み合わせによって、予防することが重要とされます。
神経因性疼痛とは、以下のようなものを指します。続きを読む
妊婦の不安解消へ?助産師外来を新設
奈良県の大和高田市立病院は、助産師が妊婦の保健指導などを行う「助産師外来」を新設した。週2回の予約制で、時間をかけて健診することで、妊婦の不安や疑問を解消するのが狙い。県内の市立病院では初の導入となる。同病院は「妊婦の人は積極的に利用して、不安解消に役立ててほしい」としている。
同病院産婦人科では、産科医の不足と分娩件数の増大を受け、一昨年6月から、利用対象を同市と周辺3市1町に在住する住民に限定してきた。しかし、常勤医3人に対し、年間約700件の分娩があり、きめ細やかな医療サービスの提供が課題となっていた。
同病院では、産科医の負担を減らす一方、医療サービスの充実を図るため、助産師外来を新設した。従来、医師が行っていた業務の大半を助産師が代行できるようになった。
対象は妊娠期間が14週と36週にあたる妊婦で、月、金曜の週2回開く。予約制で、1人あたり40分間かけて、助産師があらかじめ策定したマニュアルに基づき、保健指導や相談、超音波エコー検査などを行う。料金は1回4000円。
同病院では4月から、助産師を5人増員して23人体制に拡大し、充実を図る。同病院看護局長、油谷洋子さん(60)は「医師に聞きにくいことでも質問してもらい、丁寧な指導を行って妊婦の不安を解消したい」と話している。
(妊婦の不安解消へ助産師外来を新設)
今年1月、助産師確保を図るため、浜松医科大が平成20年度から、看護学科内の助産師課程を独立させた「助産学専攻科」を新設することが報じられていました。養成定員数は移行期間となる2年間は従来の年間6人から10人に増加、将来的には20人前後を目指すそうです。
現在では、4年制大学(看護大学などで)に選択制の助産コースを設置している大学や、短期大学の助産専攻科、助産師学校などがあるようです。ただ、看護大学などでは時間的な制約が大きく、十分な助産技術が習得できないなどの理由から、最近では助産師教育を担う大学院や専攻科などが設置され始めているそうです。
そもそも助産師とは、保健師助産師看護師法(保助看法)第3条において、「厚生労働大臣の免許を受けて、助産又は妊婦、じょく婦若しくは新生児の保健指導を行なうことを業とする者をいう」と定義されています。業務としては、医療法第2条における「助産所」を開設でき、あわせて出生証明書、死産証明書など診断書に類する書類を発行できることができるとされています。
ただ、2007年4月の医療法改正で、助産所には病院との間で緊急時の妊婦搬送の提携をするよう義務づけられました。ですが、産科医不足が原因で、提携病院が見つからないという事態が起こっています。結果、一部の助産所は廃業に追い込まれる可能性も出てきています。
こうした中、院内において助産師さんの活躍できる場所が設けられるのは、妊婦さんが十分な検診を受けられる、という点とともに、産婦人科医の負担軽減といった面でも非常に良い試みであるのではないか、と思われます。
現在、出産に関する周辺状況としては、以下のようなものがあります。続きを読む
同病院産婦人科では、産科医の不足と分娩件数の増大を受け、一昨年6月から、利用対象を同市と周辺3市1町に在住する住民に限定してきた。しかし、常勤医3人に対し、年間約700件の分娩があり、きめ細やかな医療サービスの提供が課題となっていた。
同病院では、産科医の負担を減らす一方、医療サービスの充実を図るため、助産師外来を新設した。従来、医師が行っていた業務の大半を助産師が代行できるようになった。
対象は妊娠期間が14週と36週にあたる妊婦で、月、金曜の週2回開く。予約制で、1人あたり40分間かけて、助産師があらかじめ策定したマニュアルに基づき、保健指導や相談、超音波エコー検査などを行う。料金は1回4000円。
同病院では4月から、助産師を5人増員して23人体制に拡大し、充実を図る。同病院看護局長、油谷洋子さん(60)は「医師に聞きにくいことでも質問してもらい、丁寧な指導を行って妊婦の不安を解消したい」と話している。
(妊婦の不安解消へ助産師外来を新設)
今年1月、助産師確保を図るため、浜松医科大が平成20年度から、看護学科内の助産師課程を独立させた「助産学専攻科」を新設することが報じられていました。養成定員数は移行期間となる2年間は従来の年間6人から10人に増加、将来的には20人前後を目指すそうです。
現在では、4年制大学(看護大学などで)に選択制の助産コースを設置している大学や、短期大学の助産専攻科、助産師学校などがあるようです。ただ、看護大学などでは時間的な制約が大きく、十分な助産技術が習得できないなどの理由から、最近では助産師教育を担う大学院や専攻科などが設置され始めているそうです。
そもそも助産師とは、保健師助産師看護師法(保助看法)第3条において、「厚生労働大臣の免許を受けて、助産又は妊婦、じょく婦若しくは新生児の保健指導を行なうことを業とする者をいう」と定義されています。業務としては、医療法第2条における「助産所」を開設でき、あわせて出生証明書、死産証明書など診断書に類する書類を発行できることができるとされています。
ただ、2007年4月の医療法改正で、助産所には病院との間で緊急時の妊婦搬送の提携をするよう義務づけられました。ですが、産科医不足が原因で、提携病院が見つからないという事態が起こっています。結果、一部の助産所は廃業に追い込まれる可能性も出てきています。
こうした中、院内において助産師さんの活躍できる場所が設けられるのは、妊婦さんが十分な検診を受けられる、という点とともに、産婦人科医の負担軽減といった面でも非常に良い試みであるのではないか、と思われます。
現在、出産に関する周辺状況としては、以下のようなものがあります。続きを読む
脳梗塞後に肝癌…5年の闘病後、江藤慎一さん亡くなる
プロ野球史上唯一の両リーグ首位打者に輝き、中日、ロッテなどで活躍した江藤慎一氏が28日午後3時38分、東京都内の病院で肝臓がんのため死去した。
最期をみとったのは三女の忍さん。前夜の10時まで病院で見舞っていたという実弟で元巨人の江藤省三氏(65)は「5年間の闘病はきつかったと思う。意識があるのにしゃべれない。僕の呼び掛けには応じるのに…。見ていてつらかった」と悲しみとともに振り返った。
03年07月に脳梗塞で倒れて入院。その後、肝臓にがんが見つかるなどして、長い闘病生活が続いた。最近では関係者の見舞いはすべて断り、闘病で弱った姿は誰にも見せなかったという。気骨あふれる九州男児。気迫を前面に出し「闘将」といわれた現役時代そのままの最期だった。
(また「昭和」が一人…江藤慎一さん逝く)
肝癌とは、肝臓に発生する悪性腫瘍の全てを指し、原発性肝癌と転移性肝癌に大別されます。原発性肝腫瘍では、肝細胞癌と胆管細胞癌が95%を占め、中でも肝細胞癌が最も頻度が高くなっています。
原発性肝癌は、年々増加の一途をたどっており、1990年には年間2万人を突破し、年間死亡者数は約2万7千人と推定されています。肝癌患者数の男女比は 3:1 で男性が多いですが、近年女性患者の増加がみられます。また、肝癌発生年齢の高齢化傾向もみられています。
原因としてはB型肝炎ウイルス(HBs Ag陽性15%前後)およびC型肝炎ウイルス(HCV陽性75%前後)の長期にわたる持続感染が大多数を占め(肝炎ウイルス感染の関与が9割以上を占めている)、原発性肝細胞癌の9割がなんらかの肝病変を併発しています。
肝癌は、B型、C型肝炎ウイルスが正常肝細胞に作用して突然変異を起こさせて発生するものと推定されています。したがって、B型、C型肝炎ウイルスに感染した人は、肝がんになりやすい「肝癌の高危険群」と言われています。
肝癌に特有の症状は少なく、肝炎・肝硬変などによる肝臓の障害としての症状が主なものです。わが国の肝癌は、肝炎ウイルスの感染にはじまることが大部分であり、肝炎・肝硬変と同時に存在することが普通です。
早期肝癌では、特有の症状は乏しく、併存した肝病変の症状を呈します。肝炎・肝硬変のために医師の診察を受ける機会があり、肝癌が発見されるというケースが多くみられるようです。進行肝癌となると、全身倦怠感や上腹部〜右季肋部痛、腹部腫瘤。発熱、ショック(肝癌が壊死に陥り出血した場合)などが起こります。
また、腫瘍随伴症候群として、稀ですが低血糖や赤血球増加症、高コレステロール血症、高Ca血症(腫瘍のホルモン様物質の産生、腫瘍代謝の異常など)をきたすことがあります。
必要となる検査や治療は、以下のようなものがあります。続きを読む
最期をみとったのは三女の忍さん。前夜の10時まで病院で見舞っていたという実弟で元巨人の江藤省三氏(65)は「5年間の闘病はきつかったと思う。意識があるのにしゃべれない。僕の呼び掛けには応じるのに…。見ていてつらかった」と悲しみとともに振り返った。
03年07月に脳梗塞で倒れて入院。その後、肝臓にがんが見つかるなどして、長い闘病生活が続いた。最近では関係者の見舞いはすべて断り、闘病で弱った姿は誰にも見せなかったという。気骨あふれる九州男児。気迫を前面に出し「闘将」といわれた現役時代そのままの最期だった。
(また「昭和」が一人…江藤慎一さん逝く)
肝癌とは、肝臓に発生する悪性腫瘍の全てを指し、原発性肝癌と転移性肝癌に大別されます。原発性肝腫瘍では、肝細胞癌と胆管細胞癌が95%を占め、中でも肝細胞癌が最も頻度が高くなっています。
原発性肝癌は、年々増加の一途をたどっており、1990年には年間2万人を突破し、年間死亡者数は約2万7千人と推定されています。肝癌患者数の男女比は 3:1 で男性が多いですが、近年女性患者の増加がみられます。また、肝癌発生年齢の高齢化傾向もみられています。
原因としてはB型肝炎ウイルス(HBs Ag陽性15%前後)およびC型肝炎ウイルス(HCV陽性75%前後)の長期にわたる持続感染が大多数を占め(肝炎ウイルス感染の関与が9割以上を占めている)、原発性肝細胞癌の9割がなんらかの肝病変を併発しています。
肝癌は、B型、C型肝炎ウイルスが正常肝細胞に作用して突然変異を起こさせて発生するものと推定されています。したがって、B型、C型肝炎ウイルスに感染した人は、肝がんになりやすい「肝癌の高危険群」と言われています。
肝癌に特有の症状は少なく、肝炎・肝硬変などによる肝臓の障害としての症状が主なものです。わが国の肝癌は、肝炎ウイルスの感染にはじまることが大部分であり、肝炎・肝硬変と同時に存在することが普通です。
早期肝癌では、特有の症状は乏しく、併存した肝病変の症状を呈します。肝炎・肝硬変のために医師の診察を受ける機会があり、肝癌が発見されるというケースが多くみられるようです。進行肝癌となると、全身倦怠感や上腹部〜右季肋部痛、腹部腫瘤。発熱、ショック(肝癌が壊死に陥り出血した場合)などが起こります。
また、腫瘍随伴症候群として、稀ですが低血糖や赤血球増加症、高コレステロール血症、高Ca血症(腫瘍のホルモン様物質の産生、腫瘍代謝の異常など)をきたすことがあります。
必要となる検査や治療は、以下のようなものがあります。続きを読む
2008年02月28日
マンモグラフィーと脳卒中リスクの意外な関係?
マンモグラム(乳房X線写真)で、乳癌を早期に発見できるだけでなく、脳卒中リスクを予測できることが示され、ニューオーリンズで開催された米国脳卒中協会(AHA)国際脳卒中会議2008で報告された。
研究を率いた米ミズーリ大学Ellis Fischel癌センター(コロンビア)のPaul S. Dale博士によると、同大学が実施したものを含め、過去のいくつかの研究から、乳房血管内の石灰化(癌性ではないもの)と糖尿病、心疾患、脳卒中リスクとの関係が認められたという。
今回の研究では、乳癌検診を受けた40〜90歳の女性793人のマンモグラムを検討した結果、86人(約10%)に石灰化が認められた。しかし、脳卒中に罹患したことのある女性204人のマンモグラムを調べたところ、115人(56%)に石灰化がみられたという。脳卒中リスクも、マンモグラムで石灰化が見つかるリスクも年齢とともに増大することから、今回の研究では年齢について調整を行っている。
米レノックス・ヒルLenox Hill病院(ニューヨーク)のSuzanne Steinbaum博士は「同様のことを示した研究はほかにもあるが、心臓専門医として、この情報はありがたい」と述べている。Dale氏らは、石灰化と心血管疾患および糖尿病との関連を調べる研究をさらに続けている。マンモグラムで石灰化が見つかったら医師に相談するようにと患者に勧めるにはまだ早い段階だと同氏はいうが、さらに研究が進めば、いずれはそうする必要が出てくるかもしれない。
(マンモグラムが脳卒中リスクを示唆)
マンモグラフィー(乳房X線撮影)とは、専用のX線撮影装置を用いて、乳房を強く挟んで撮影する画像診断の一種です。圧迫により、乳房内部の様子を鮮明に写しだすことができ、病変前後の乳腺を排除して撮影することができます。触知することのできない乳癌の発見や、乳房腫瘤の良悪性の鑑別、乳癌の拡がり診断などに有効であるといわれています。
マンモグラフィーでは、描出された腫瘤陰影と石灰化像からその腫瘤の良性・悪性を診断していくことになります。視触診、超音波検査とマンモグラフィーを組み合わせることにより、9割以上の症例で診断が可能となっています。
乳癌に特徴的なマンモグラフィ所見としては、「形状不整の集簇する微細石灰化とスピキュラ(スピクラ)を伴う高濃度の腫瘤像」といったものがあります。これは、石灰化の小さな粒が、たくさん集まっているような状態や、スピキュラ(腫瘤から周囲に向かって出る針状の突起)があると、悪性であるといった診断がなされるわけです。
ただ、乳腺症や線維腺腫などの良性腫瘍でも石灰化を伴うことがあります。こちらの場合は、比較的大きな丸い石灰化として現れ、ぱらぱらと散在性にみられることが多いといわれています。
こうした乳房血管内の石灰化(癌性ではないもの)と糖尿病、心疾患、脳卒中リスクとの関係が明らかになれば、乳がん検診を受けて、その時に「一緒に糖尿病や心疾患などがないか、調べてみましょう」と勧めることも出来るかも知れません。
ちなみに、乳がん検診とは、以下のようなものを指します。続きを読む
研究を率いた米ミズーリ大学Ellis Fischel癌センター(コロンビア)のPaul S. Dale博士によると、同大学が実施したものを含め、過去のいくつかの研究から、乳房血管内の石灰化(癌性ではないもの)と糖尿病、心疾患、脳卒中リスクとの関係が認められたという。
今回の研究では、乳癌検診を受けた40〜90歳の女性793人のマンモグラムを検討した結果、86人(約10%)に石灰化が認められた。しかし、脳卒中に罹患したことのある女性204人のマンモグラムを調べたところ、115人(56%)に石灰化がみられたという。脳卒中リスクも、マンモグラムで石灰化が見つかるリスクも年齢とともに増大することから、今回の研究では年齢について調整を行っている。
米レノックス・ヒルLenox Hill病院(ニューヨーク)のSuzanne Steinbaum博士は「同様のことを示した研究はほかにもあるが、心臓専門医として、この情報はありがたい」と述べている。Dale氏らは、石灰化と心血管疾患および糖尿病との関連を調べる研究をさらに続けている。マンモグラムで石灰化が見つかったら医師に相談するようにと患者に勧めるにはまだ早い段階だと同氏はいうが、さらに研究が進めば、いずれはそうする必要が出てくるかもしれない。
(マンモグラムが脳卒中リスクを示唆)
マンモグラフィー(乳房X線撮影)とは、専用のX線撮影装置を用いて、乳房を強く挟んで撮影する画像診断の一種です。圧迫により、乳房内部の様子を鮮明に写しだすことができ、病変前後の乳腺を排除して撮影することができます。触知することのできない乳癌の発見や、乳房腫瘤の良悪性の鑑別、乳癌の拡がり診断などに有効であるといわれています。
マンモグラフィーでは、描出された腫瘤陰影と石灰化像からその腫瘤の良性・悪性を診断していくことになります。視触診、超音波検査とマンモグラフィーを組み合わせることにより、9割以上の症例で診断が可能となっています。
乳癌に特徴的なマンモグラフィ所見としては、「形状不整の集簇する微細石灰化とスピキュラ(スピクラ)を伴う高濃度の腫瘤像」といったものがあります。これは、石灰化の小さな粒が、たくさん集まっているような状態や、スピキュラ(腫瘤から周囲に向かって出る針状の突起)があると、悪性であるといった診断がなされるわけです。
ただ、乳腺症や線維腺腫などの良性腫瘍でも石灰化を伴うことがあります。こちらの場合は、比較的大きな丸い石灰化として現れ、ぱらぱらと散在性にみられることが多いといわれています。
こうした乳房血管内の石灰化(癌性ではないもの)と糖尿病、心疾患、脳卒中リスクとの関係が明らかになれば、乳がん検診を受けて、その時に「一緒に糖尿病や心疾患などがないか、調べてみましょう」と勧めることも出来るかも知れません。
ちなみに、乳がん検診とは、以下のようなものを指します。続きを読む


