各論3 「皮膚・頭頸部疾患」
(問題)
ひょう疽では骨に炎症は波及しない。

ひょう疽(答え)×
(解説)
 ひょう疽とは、爪囲炎などが誘因となって、指趾に可能性炎症をきたしたものである。
 定型的なものは指頭ないし指末節屈側にみる皮下蜂巣炎で、この部位は解剖学的に特異の構造を示すため、その症状、経過に特異性を呈する。すなわちこの部の皮下組織には皮膚表面に対して垂直に走る強靱な結合組織性線維が存在し、これにより多数の小房に分かれ、この部に起こった感染,炎症は周囲へは拡大しにくく深部に進行しやすい。
 また滲出液による小房の緊満により、指端知覚神経の圧迫による激痛、栄養血管圧迫による組織壊死化などが起こる。拍動性の疼痛発赤が主症状である。治療は安静や抗菌薬、切開排膿などである。炎症の部位により皮内ひょう疽,皮下ひょう疽,腱性ひょう疽,骨性ひょう疽,関節ひょう疽に区別される。

[補足]
起因菌は、黄色ブドウ球菌、A群β溶連菌、大腸菌、緑膿菌などである。刺傷や陥入爪などが誘因となる。

[注]これは、医学評論社で毎平日更新中の一問一答を解説していく…という、不毛なことをやるコーナーです。