各論3-3「その他の皮膚疾患」
(問題)
伝染性膿痂疹の診断には水疱内容培養が有用である。

伝染性膿痂疹(答え)○
(解説)
伝染性膿痂疹とは、角層下に細菌感染が起こり、その毒素のために水疱や痂皮を形成した疾患である。自家接種により拡大する。いわゆる飛び火である。乳幼児に好発し、黄色ブドウ球菌により水疱を形成する水疱性膿痂疹と、主にA群β溶連菌の感染により痂皮を形成する痂皮性膿痂疹に分類される。
→原因菌の同定のため、内容培養が必要。
治療はセフェム系抗生物質の全身投与である。

[補足]
 わが国では黄色ブドウ球菌によるものが多く、レンサ球菌によるものは少ないとされているが、両者の混合感染もある。ブドウ球菌性膿痂疹は大きな水疱をつくることが多く(水疱性膿痂疹)、周囲皮膚に伝染する。

→鑑別診断
 虫刺症では炎症が強く、水疱内容は無菌である。SSSSでは独特の顔貌(目の周りや口周囲の病変)などがある。

 0〜6歳の乳幼児に好発し、成人例は非常に少ない。季節的には夏季に頻発し、家族内、保育園内で集団発生する。悪化するとブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群になることがある。

[注]これは、医学評論社で毎平日更新中の一問一答を解説していく…という、不毛なことをやるコーナーです。