各論III-5「外眼部・前眼部疾患」
神経線維腫症では角膜変性がみられる。

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(解説)
・概念
神経線維腫症とは,von Recklinghausenにより1882年に名づけられた病気で,多発性の神経線維腫と皮膚の色素沈着(カフェオレ斑)を特徴とする常染色体の優性の遺伝的疾患である.

・症状
臨床的には末梢型と中枢型に分けられる.末梢型は生後数年以内に皮膚のカフェオレ斑が現れることによって発症し,神経線維腫はそのあとに出現する.神経線維腫は軟部のみでなく消化管,喉頭,心血管,骨などにも発生することがある.皮膚の色素沈着は表皮基底層のメラニン色素の増加による.中枢型は末梢型の変化がほとんどなく,頭蓋内あるいは脊椎管内の神経鞘腫,星状膠細胞腫(アストロサイトーマ),髄膜腫,脳室上衣腫などを伴うもので,神経鞘腫が最もよくみられる.
特徴的な角膜変性はみられない

・組織像
神経線維腫症では紡錘型の細胞が細い線維とともに粘液様の細胞間物質を伴って増生し,腫瘍内に軸索が残存している.電顕的には基底膜に囲まれたシュワン細胞と線維芽細胞の両方がみられる.レックリングハウゼン病ではつる状神経腫の型を示すものがある.

・治療
神経線維腫症の進行を止めたり,治す治療法は見つかっていない.個々の神経線維腫は,手術で切除したり,放射線療法で小さくすることはできる.神経の近くで増殖しているときは,しばしばその神経も切除が必要になる.

神経線維腫症は遺伝性のため,この病気の人が子供をもつことを希望する場合は,遺伝カウンセリングを受けるとよい.神経線維腫症の子供が1人いて,両親はこの病気ではない場合には,もう1人の子供が神経線維腫症になるリスクは非常にわずかです.

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