2006年04月24日

強膜炎とは

各論III-5「外眼部・前眼部疾患」
強膜炎は黄色ブドウ球菌が原因となる。

(答え)×
(正答率)58.7% [16:39時点]
…こういう"引っかけ"っぽい問題…好き。

(解説)
・概念
強膜炎とは,強膜scleraの炎症であり,通常全身疾患,ことに免疫異常と関係している.疼痛を伴い,両側性のこともあり,また再発をみることもある.
強膜は眼球の外膜を形成し,強靱である.主成分はコラーゲンであるが角膜とは異なり大小まちまちで,その走行も不規則で不透明である.
前部強膜は球結膜の下に存在し,角膜輪部を除いて血管に乏しい.結膜に被覆されている部分の結合組織には深部に血管の豊富な層があり上強膜episcleraと呼ばれている.しかし,炎症が起こると上強膜,強膜の区別は困難なことが多い.
昔は結核性のものが多く,組織学的にも結核結節が証明され,らい,梅毒もみられたが,現在はリウマチ性のものが多い.

・症状
単に軽度の発赤,充血,腫脹をきたし,瞳孔がやや散大する程度でステロイド剤の点眼で2〜3週で治癒するものが多いが,重症型では一過性の虚血性変化を経過したと考えられる,種々の程度の強膜軟化を後遺症として残すものがある.また,リウマチを疑われるが確証がなく,数週以上にわたって頑固な強膜充血が続く症例があり,ステロイドに強固に抵抗するものがある.これらの症例は角膜にも病変が波及し予後が悪い.
川崎病の初期にも強膜炎を起こすものが多いが,浮腫が少なく,血管の怒張が強く,血管炎症といわれている.その他,他疾患の部分症状として出現するものとしてウェゲナー肉芽腫症Wegener granulomatosisがあり,角膜周辺全体にわたって,強膜充血が強く膠状隆起を起こすものを膠状強膜炎gelatinous scleritisと呼び,進行性強膜周辺角膜炎scleroperikeratitis progressivaと呼ばれている.

・診断
強膜炎の診断は、症状とスリットランプによる観察所見に基づく.超音波検査やCT検査で強膜炎の徴候が見つかることもある.

・治療
非ステロイド性抗炎症薬や、プレドニゾロンなどのステロイド薬を服用する.
点眼薬や軟膏は強膜炎にはほとんど効果がない.関節リウマチがある場合やステロイド薬の効き目がない場合は、シクロホスファミド、アザチオプリンなどの免疫抑制薬が必要になることがある.

[注]これは、医学評論社で毎平日更新中の一問一答を解説していく…という、不毛なことをやるコーナーです。

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