各論III-7「外耳・中耳疾患」
耳硬化症では難聴をきたす。

(正解)○
(正解率)90.0% [23:10時点]
…まぁ、答えられて当然なんでしょうな。

(解説)
耳小骨のうちアブミ骨底周辺に骨異常増殖を生じ種々の程度の伝音難聴を生じる疾患である.

 コーカシア人(いわゆる白人)に多く,東洋人には少ない.女性に多い.10歳代の終わりごろから始まり,中年に高度になる.一側のこともあるが結局は両側とも罹患することが多い.遺伝する場合もあり,同一家系に多発することもある.
 診断は発症が後天的で,緩やかに進行する伝音難聴で,鼓膜は正常所見を示すなどから行われる.増殖骨は組織学的に海綿状になっており,正常迷路骨包の骨と比べて骨質の配列も異常である.全身的に骨系統が異常な症例にヴァン デル ヘーヴェ症候群van der Hoeve syndromeがあり,この症状の一つは耳硬化症である.
 治療としてはアブミ骨手術が行われる.成功すれば聴力は劇的に回復する.鑑別診断として中耳奇形と中耳炎後遺症があるが,病歴によって明らかである.

[注]これは、医学評論社で毎平日更新中の一問一答を解説していく…という、不毛なことをやるコーナーです。

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