中枢神経白血病(CNS-L)について記す。
中枢神経白血病とは、白血病に合併する中枢神経系障害の主なものは、出血と白血病細胞の浸潤に原因するものである。このうち、浸潤が起こったために浸潤そのもの、もしくは脳圧亢進により多彩な神経症状を生ずる病態を中枢神経白血病(central nervous system leukemia)、白血病性髄膜炎、または髄膜白血病と呼ぶ。以前は主として小児の急性リンパ性白血病例に散発的に見られるに過ぎなかったが、各種抗白血病薬の開発や多剤併用療法に見られる治療法の進歩による白血病患者の生存期間の延長に伴い、小児のみならず成人においても中枢神経合併症の主体をなすものとして注目され、その予防及び治療の重要性が指摘されている。現在、使用されている抗白血病薬の大部分は脳血管関門を通過しにくいため、通常の使用量では髄液中に十分な濃度が得られない。このため、クモ膜に浸潤した白血病細胞は増殖を続け髄液中に遊出するようになり、CNS-Lとして臨床的に認識される。
 本症は小児に多く、ALLの方がAMLよりも数倍起こりやすいとされている。症状としては、大きく分けると神経組織や髄膜への浸潤に起因するものと、これに伴う脳圧亢進によるものの2つから成る。症状として最も多いのは、脳圧亢進による悪心、嘔吐(63%)、頭痛(61%)、ついで嗜眠(35%)、複視、視力障害、斜視などの眼症状(20%)、精神症状(20%)、そのほか痙攣、昏睡、被刺激性の亢進、呼吸障害、聴力障害などがあげられている。臨床徴候としては、項部硬直、Kernig徴候のほか、小児では縫合離開をみることがある。脳神経系では、顔面神経麻痺をきたすことが多く、ついで第供↓次↓掲梢牲个僚腓砲かされるとされている。病的反射や瞳孔異常を見ることもあるが、末梢神経麻痺を生じるのは稀である。
 CNS-Lの臨床診断の決め手となるのは、髄液の所見であり、腰椎穿刺を行う。結果、髄液圧の上昇と髄液中の細胞数増加は80〜90%症例にみられ、細胞学的検査を行えば、白血病細胞の存在を確認できる。さらに診断を確実にするには、髄液培養を行い、細菌、真菌、ウィルス感染も否定しておくことも重要である。また、頭部MRI,CTなどで腫瘤形成を認めることもできる。
 以上から、[彎仮評、徴候 ⊃餘娶〆此´F部画像診断 が診断で重要であると考えられる。本症例では、頭痛、嘔気などの頭蓋内圧亢進を思わせる症状、髄液検査所見にて細胞数増多(650/3)と細胞診上、白血病細胞を認めた。また、頭部MRIにて腫瘍細胞の髄膜への浸潤と思われる小脳や大脳半球の脳表、脳溝に線条の高信号領域を認める。故に、CNS-Lとの診断ができると思われる。
 TCCSG(Tokyo Children's Cancer Study Group)の診断基準によれば、中枢神経系(CNS)浸潤の診断基準は、以下の通りである。
_蟲紊陵無は全てcytospinを行い、適切な染色標本を作製して顕微鏡的に形態学的診断を行って判定する。
以下のCNS statusの分類に基づき、CNS-1はCNS浸潤陰性、CNS-2,3は中枢神経浸潤陽性とする。
 CNS statusの分類
CNS-1:髄液中に芽球なし
CNS-2:WBC<5(=15/3)/μlかつ芽球あり
CNS-3:WBC>5(=15/3)/μlかつ芽球あり
WBC<5(=15/3)/μlでもCNS leukemia/lymphomaの症状・徴候(顔面神経麻痺、視床下部症状など)があるか、あるいはCT/MRIでCNS病変に矛盾しない所見を認めた場合にもCNS浸潤陽性とし、CNS-3に分類する。

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