1)次回採血時に注意すべきこと
 まず、採血時の準備として、顱ゴ擬圓龍枋イ魏鬚ような対応をする 髻ゴ擬圓砲郎属漫∈侶貅圓和侈未飽銘屬掘¬槁犬箸垢觀豐匹叛橘未砲覆覦銘屬箸垢 ということに注意すべきであると思われる。緊張は、採血針を刺すことにより、迷走神経反射をもたらし、気分不良や血圧低下あるいは徐脈等を引き起こすおそれがあるので注意を要する。そのため、できるだけ言葉をかけるなど、緊張を取り除く必要があると思う。また、鬚亡悗靴討蘯遜中に忘れがちであったため、しっかりと留意する。
 次に、穿刺静脈の選び方についてであるが、顱ザ邨貘咾1分以上巻いたままにしない様に注意する(血液凝固が起こり血液が組織に浸潤し血腫が形成されることもある。血液濃縮で蛋白濃度が高値になる。また、血液細胞数値が間違って高くなることもある) 髻シ豐匹鯀ぶのに時間を要する場合は一時駆血帯を緩め、2分間程度経過してから巻きなおす 鵝ザ邨貘咾魎くことで浮き上がってくる静脈を確かめる時は、採血者の利き手と逆の手を用いる(利き手が自由になり、スムースな採血に移ることが出来る) 堯シ豐匹涼椴論を確かめると同時に、深さを推測する(スムースな採血に進み、患者の負担を軽減する上でも留意すべき点) ということに留意するべきだと思われる。
 採血に関しては、顱ゴ擬圓力咾篝刺する部位が下向きに維持する(逆流を防ぐため) 髻 親指で穿刺部位の2〜5cm下の皮膚を引く(静脈が伸び、穿刺が容易になる) 鵝ゼ尊櫃寮刺は、末梢側より約30度の角度で行う 堯ズ侶豐匹鬟曠襯澄爾忘垢傾むときは、ホルダーのふちをしっかり持って採血管を入れ、採血管側の採血針の先端部が採血管のゴム部分を貫通するまで押し込む .採血管は採血針から抜くまで、位置を変えてはならない。また、採血の間は採血管の添加剤等が採血管のキャップ部分に接触しないように注意する(血液が採血管の中を行き来すると、逆流するおそれもある) .採血針を抜くまで患者の腕の血管を圧迫したり動かしたりしないように注意する(圧迫を解除した時、腕の位置によっては逆流を起こすおそれがある) .バルブ(ゴムチップ)の作用で採血管内への血流がとまることを防ぐために採血管の先端部に弱い一定の力をかけ続けることも必要であるが、その場合は加える力を変えてはならない などのことに注意するべきだと思われた。

2)糖負荷試験を行う際の注意事項
・副作用(以下はトレーランG50/トレーランG75の添付文書参照)
100g負荷時
 総症例518例中88例(17.0%)100件に副作用が認められている。その主なものは、 悪心51件、頭痛8件、嘔吐5件、下痢4件であった。(臨床試験成績集計)

50g負荷時
 50g負荷試験については、副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。(臨床 試験成績集計)
75g負荷時
 総症例116例中9例(7.8%)11件に副作用が認められている。その主なものは、悪心4 件、腹部膨満感4件であった。(臨床試験成績集計)
その他の副作用
 以下の副作用は、以上の3種負荷試験及び自発報告等で認められたものである。
消化器 5%以上→悪心 消化器 0.1〜5%未満→嘔吐、下痢、腹部膨満感、腹痛
精神神経系 0.1〜5%未満→頭痛

・高齢者への投与
 一般に高齢者では、生理機能が低下しているので、減量するなど注意すること。

・適用上の注意
1. 投与(試験)前
(1) 医薬品の投与は中止すること。
(2) 過激な運動は禁止すること。
(3) 前日の午後9時以降試験直前までは絶食すること。
(4) 前日の暴飲暴食及び飲酒は禁止すること。

2. 投与(試験)時
(1) 試験は早朝空腹時に行い、終了まで水以外の摂取を禁止すること。
(2) 試験中は安静にし、安楽な姿勢を保ち、過激な運動を避けること。
(3) 前日の生活状況、当日の健康状態等を聴取すること。
(4) トレーランG50/トレーランG75服用による副作用は記録し、結果の判定の際の参考とすること。

3)CPR(Cpeptide immuno reactivity)、グリコアルブミン、尿アルブミン測定の意義
・CPR(Cpeptide immuno reactivity)
  C−ペプチドは、分子量3,617でインスリンの前駆物質であるプロインスリンの構成成分である。一般的に生体に対する生物学的活性はないと考えられている。膵β細胞内でインスリン部分とC−ペプチド部分(アミノ酸31個)に分離されて血中に放出される。又,インスリンに比べ代謝が遅く一部は腎臓で代謝され尿中に排泄される。血中半減期は11分。血中C−ペプチド測定の意義は,ほぼ血中IRI値の場合と同じであるが、インスリン投与時、あるいは、インスリン抗体が存在する場合の膵β細胞のインスリン分泌能評価に有用である。インスリン投与やインスリン抗体または、プロインスリンの干渉を受けずに測定できる。異常値を示す疾患・病態として、減少する疾患では、下垂体機能低下症、褐色細胞腫、糖尿病、副腎不全などがある。上昇する疾患としては、.ぅ鵐好螢鷙眞諭Дぅ鵐好螢痢璽沺▲ぅ鵐好螢鷦己免疫症候群(インスリン抗体の存在)、プロインスリン血症などがある。⊂緇困垢觴栖気つ、インスリン正常では、腎不全などがある。


・グリコアルブミン
 アルブミンはグルコースと非酵素的に反応し、グリコアルブミンとなる。アルブミン中に占めるグリコアルブミンの割合は血糖値及び高血糖の持続期間によって規制されるため、グリコアルブミンの数値は、ある期間の平均的血糖コントロール状態をあらわすことになる。アルブミンの半減期は20日前後であるため、グリコアルブミンは過去1-2週間と比較的短期間の平均血糖値を反映する。このため,血糖値の変動幅が大きい糖尿病患者やアルブミン濃度の変動が顕著な妊婦の糖尿病コントロール、薬物療法やインスリン投与を行っている患者の治療経過を追う上で有用である。異常値を示す疾患・病態では、高値疾患として肝硬変、甲状腺機能低下症、糖尿病などがある。一方、低値疾患としては、ネフローゼ症候群、甲状腺機能亢進症、高度の火傷などがある。

・尿アルブミン
 糖尿病患者では、試験紙法による尿蛋白が陰性の病期であっても、すでに組織学的変化が始まっている。この初期の病変(早期腎症)を診断する指標の一つとして尿中微量アルブミンが測定され、微量アルブミン尿を呈する症例の多くは後に持続性蛋白尿を呈し、糖尿病性腎症に移行することが明らかにされている。したがって,尿中アルブミンを測定し、早期糖尿病性腎症の有無を確認して、糖尿病患者を管理・治療することが重要である。また、糸球体障害の指標であるので糸球体に組織変化をもたす腎疾患の原発性腎疾患でも有用である。異常値を示す疾患・病態では、上昇する疾患として腎症、糖尿病性腎症などがある。

4)各自の測定結果について
・血糖値
糖負荷前:83mg/dL 30分後:162mg/dL 60分後:152mg/dL 120分後:119mg/dL
・Hba1c について
Hba1c:5.1% であることより、基準値(4.3〜5.8%)より正常であると考えられる。
・尿検査
[糖負荷前]GLU:6mg/dl(随時尿20 mg/dl 以下) u-ALB:6(22.0 以下) u-TP:4(随時尿10mg/dl 以下) A/CR:2.9
[糖負荷後2時間値]GLU:4mg/dl(随時尿20 mg/dl 以下)
・IRI(immunoreactive insulin)
 糖負荷前:11.1μU/ml 30分後:56.4μU/ml 60分後:41.8μU/ml 120分後:46.6μU/ml IRIに関しては、負荷前で基準値IRIは2.3〜15.1μg/dlが正常であり、それをこえる場合、インスリン抵抗性をインスリン過剰分泌で代償していると考えられる。空腹時は正常でも、食後高血糖にたいして代償するために2時間値のインスリン追加分泌の上昇する場合もあり、指標として採用されることも多い。インスリン《IRMA》参考基準値としては、空腹時負荷前:2.3 〜15.1 30分:10.4 〜102 60分:11.6 〜123 120分:8.3 〜79 .8 180分:3.6 〜38 .4 であるため、概ね基準値範囲内であると考えられる。
・insulinogenic index
 insulinogenic index
=(30IRI−負荷前IRI)/(30BS−FBS)
= 56.4−11.1/162−83
=0.57
インスリン分泌指数(insulinogenic index, II)が0.4 以下の場合、インスリン低分泌であると判断できると考えられている。今回、0.57であるので、インスリン低分泌であるとは考えにくい。
・HOMA−R:homeostasis model assessment ratio(インスリン抵抗性指数)
 HOMA−R
=空腹時IRI(μU/mL)× 空腹時血糖値(mg/dL)/405
=11.1×83/405
=2.27
 HOMA-R値 :1.6以下 正常
 HOMA-R値 :2.5以上 インスリン抵抗性の疑い
 インスリン抵抗性の簡便な指標のひとつとして、早朝空腹時の血中インスリン値と血糖値から計算により求められる値。空腹時血糖値140mg/dL以下の場合は他の算出方法で求めたインスリン抵抗性の値とよく相関する。但し、空腹時血糖値が140mg/dLを超える場合は、その解釈に注意が必要であるとされている。上記数値より、インスリン抵抗性があるとは考えにくい。

5)室温と冷蔵保存で明らかに相違した測定項目
 室温と冷蔵保存で明らかに相違した測定項目は、GLU(室温:27 冷蔵:70) K(室温:4.06 冷蔵:6.83)である。採血後の検体における検査値の変化は細胞の代謝、検体内で分解や異質の変化、変性、化学的反応などが考えられる。とくに、Gluの低下は細胞代謝により消費量の相違によると思われる。冷蔵による低温状態では、解糖系経路における反応が不活発になり(酵素の反応が低温により反応低下する)、Gluの消費量が低下すると考えられる。
 次に、Kの相違であるが、溶血により細胞外に流出し、検査値を上昇させたと考えられる。赤血球K濃度は血清中より30〜40倍高く、また冷蔵保存では赤血球膜の能動輸送の低下により赤血球内から大量のKが遊出する。従って、溶血や全血のままでの冷蔵保存では高値となると考えられる。

6)茶栓と灰色真空採血管で大きく測定値が異なった項目
 茶栓と灰色真空採血管で大きく測定値が異なった項目は、GLU(茶:74 灰:84)、Na(茶:142.5 灰:192.5)、K(茶:5.13 灰:7.66)、Cl(茶:99.5 灰:62.3)、ALP(茶:202 灰:66)である。
 GLUは茶栓より灰栓の方が高値であった。これは灰栓真空採血管にブドウ糖代謝阻害剤(NaF…解糖系におけるエノラーゼの阻害)が入っているため、糖の消費が抑えられたことによると考えられる。
 Naは灰栓において高値であった。これは灰栓真空採血管に含まれるクエン酸NaやNaFによってもたらされたと考えられる。
 Kは灰栓において高値であった。灰栓では、フッ素あるいはヨード酢酸などの解糖阻害剤が含まれているため、細胞膜において能動輸送が停止していることや細胞破壊が起こり、Kが遊出したためと考えられる。
 Clは灰栓において低値であった。これは検査棒のCl特異性が低下したためと考えられる。
 ALPは灰栓において低値であった。これはALPの活性中心にあるZnや、ALPの活性化に必要なMgが、灰栓真空採血管に含まれるEDTAにキレートされたためと考えられる。

7)使用した注射針、採血管を廃棄する容器
 感染性廃棄物の梱包は、密封でき,収納しやすく,損傷しにくい容器等で,性状に応じて次のように選択し、容器にはそれぞれ次のような表示を行う。
・鋭利なもの(注射針,メス等)→バイオハザードマーク(黄色)あるいは「感染性廃棄物」 及び「鋭利なもの」と明記する。容器は、金属製,又は丈夫なプラスチック製等(危険 を防止するため,耐貫通性のある堅牢な容器を使用)
・固形状のもの(血液バッグ等)→バイオハザードマーク(橙色)あるいは「感染性廃棄物」 及び「固形状のもの」と明記。容器は、丈夫なプラスチック袋を二重にするか,堅牢な 容器を使用
・液状又は泥状のもの(血液等)→バイオハザードマーク(赤色)あるいは「感染性廃棄物」 及び「液状又は泥状のもの」と明記。容器は、廃液等が漏れない密閉容器を使用。
・一括梱包する場合→性状により上記の内いずれか を使用 耐貫通性があり,堅牢で廃液 等が漏れない材質を併せ持つ密閉容器を使用。

8)フローサイトメトリー
 散乱とは、レーザー光が細胞などの微小な粒子に当たって、すべての方向にレーザー光と同じ波長の光を発する現象である。その強さは、細胞や粒子の大きさとその散乱方向に依存する。
・前方散乱光(低角度散乱光):FS
 レーザー光の軸に対して前方向の小さい角度(例1.5°〜19°)で散乱する光を前方散乱光またはFS(Forward Scatter)と呼ぶ。FSは細胞表面で生じるレーザー光の散乱光や回折光、屈折光からなる。サンプルの大きさに関する情報が得られる。細胞表面の状態、核の形状や有無、細胞の形、その通過方向など多くの要因に影響される。一方、細胞容積を電気抵抗法で測定する高分解能型フローサイトメトリーが最近開発され、精密に細胞一個ごとの容積と蛍光を定量分析することが可能になっている。
・側方散乱光(高角度散乱光):SS
 レーザー光の軸に対して約90°の角度で散乱する光を側方散乱光またはSS(Side Scatter)と呼ぶ。SSは細胞内顆粒や核等で生じるレーザー光の散乱光で、細胞の内部構造に関連する。前方散乱光と比べて、はるかに微弱な光である。

9)CD45とは
 白血病・リンパ腫解析検査 (LLA)CD45ゲーティング(造血器悪性腫瘍細胞検査)などに用いられる。白血病・悪性リンパ腫の分類や診断において,表面マーカー解析は,結果が迅速に得られることから,治療方法を決定する上で重要な役割を担っている。本検査では,未熟で増殖能力の高い造血器細胞はCD45抗原の発現量が少ないことを利用したCD45-SSCゲーティング法により,成熟した正常細胞を除外し,腫瘍細胞の選択的な解析が可能となる。その上で,18種類の表面マーカーを2カラー解析により実現することで,腫瘍細胞の系統帰属や分化段階の精微な分類が可能である(非限定CD45エピトープはすべてのヒト白血球、すなわちリンパ球、好酸球、単球、好塩基球、好中球表面に発現し、この順に弱くなる。CD45はリンパ球の膜の主要成分のひとつである。赤血球および血小板には存在せず、骨髄中の赤芽球系細胞が成熟する過程で失われていく)。

10)CVとは
 CV(coeffcient of variation;変動係数)=SD×100/mean(%)で表される。相対的な散らばりを表す指標であり、この値が小さいほど検査の精密度が高い。標準偏差はスケールの影響を受けるため、単位が異なる検査法同士では相互に比較ができない。変動係数は標準偏差からスケールの影響を排除しているため、散らばりの度合いが相互に比較できることなどの利点がある。繰り返し測定時の測定値の変動は正規分布をとるので、平均値と標準偏差から変動係数が算出される。