2006年11月09日

第一外科レポート「縦隔腫瘍の分類」

第一外科レポート

−縦隔腫瘍の分類について−


総論
 縦隔とは、「胸腔の正中部で、肺を除くすべての胸部内臓および構造を含む部分」をいう。 前方は胸骨、後方は脊柱、上方は胸郭上口、下方は横隔膜を境界となす。縦隔腫瘍とは、この縦隔内に発生する種々の腫瘍と嚢腫を総称するが、動脈瘤,食道癌,横隔膜ヘルニア,結核,サルコイドーシス,転移性腫瘍などは除外する。奇形腫,胸腺腫,神経原性腫瘍,リンパ性腫瘍,先天性嚢腫,縦隔内甲状腺腫,その他(血管腫,リンパ管腫,脂肪腫,線維腫,原発不明の癌,肉腫など)に分類され、前3者が全体の2/3を占める。
 縦隔腫瘍の治療方針としては、心・肺・気管・大血管系などへの圧排、浸潤の問題を惹起させることから、良性・悪性を問わず可能な限り手術適応となる。多彩な組織像を呈するため、針生検などにより術前に組織診断を行い、各腫瘍の生物学的特性(放射線や抗癌剤の感受性、予後など)との関連からの適応決定(術前照射や術前化学療法など)を行う。

分類
 以下のように、部位による分類および発生母地による分類ができる。
部位による分類
・上縦隔腫瘍
 上縦隔(Th4の下縁と胸骨結合を結んだ線より上方である)に生じた腫瘍であり、甲状腺腫瘍が好発する。
・前縦隔腫瘍
 前縦隔(胸骨と心臓との間にある部であり、前部は胸骨体、後部は心膜の前面で境される)に生じた腫瘍であり、胸腺腫 thymomoa ・奇形腫 teratoma ・甲状腺腫 thyroid tumor の3Tが代表的である。大部分は扁平上皮癌であり、早期より転移して予後不良である。
・中縦隔腫瘍
 中縦隔(心臓および心臓に出入りする大きな血管で占められており、前部は心膜前面で。後部は心膜後面で境される)に生じた腫瘍であり、主に先天性嚢腫(気管支嚢胞)もしくは悪性リンパ腫である。
・後縦隔腫瘍
 後縦隔(心膜と脊柱の間にある部であり、前部は心膜後面、後部は第5〜12胸椎で境される)に発生した腫瘍であり、主に神経原性腫瘍である。

発生母地による分類
・腫瘍
1)胸腺腫
2)神経原性腫瘍(神経鞘腫・神経線維腫・神経細胞腫など)
3)胚細胞腫瘍(奇形腫・セミノーマなど)
4)胸腔内甲状腺腫
・先天性嚢胞
 気管支嚢胞・胸腺嚢胞・心膜嚢胞など

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