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今日の一問一答(2007/02/15):各論V-3「先天性心疾患」
単心室ではチアノーゼと肺高血圧がみられる。
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答え:○(正答率:76.6%)

解説:
 心室中隔(当然、静脈血と動脈血が混じり、チアノーゼをきたす)が十分にできず、右室または左室の片方が痕跡的な場合が単心室。

 多くの場合に肺動脈狭窄が合併している。少数では肺動脈狭窄がなくて肺高血圧を合併したり大動脈縮窄を合併する。肺動脈狭窄を合併する場合はチアノーゼが主な症状。肺動脈狭窄が最も高度な場合は、肺動脈閉鎖で新生児期にチアノーゼを生じる。 肺動脈狭窄が軽いとチアノーゼが軽い。

 肺動脈狭窄がなく肺高血圧がある場合は新生児期に心不全を生じて、呼吸困難や哺乳困難を生じる。三尖弁・僧帽弁・または共通房室弁の逆流をしばしば合併して、そのために乳幼児期に心不全をおこす。

 治療はまず内科的に行われる。多くの場合乳児期に姑息手術(人工心肺なしに行う手術、ブレロック短絡術や肺動脈絞扼術[バンディング手術])を行う。心内修復手術はかなり困難だが、肺血管がよく発達している場合にはフォンタン手術を行う。

補足:2007年1月15日に掲載されたニュースで、初の米ピッツバーグ大で心肝同時移植目指す 21歳男子学生の話が報じられました。
 橋本万里さんは生まれつき片方の心室がない「単心室」で、東京女子医大病院でフォンタン手術を受けたが、高校在学中の2001年ごろから不整脈が頻発し、心筋の状態が悪化、一時は心臓移植の対象となった。しかし、肝硬変も併発しており、肝臓も一緒に移植しなければ回復は無理と判断されたそうです。現在も、2億5千万を目指して、募金活動が続けられています(万里くんを救う会)。