回復の見込みがなくなった救急患者に対する延命治療中止の指針を検討していた日本救急医学会は19日、都内で理事会と評議員会を開き、指針案を示した。

その当の回復不可能な"終末期"の定義としては、
1.脳死
2.生命が人工的装置に依存し、生命維持に必須な臓器の機能不全が不可逆
3.他に治療方法がなく、現在の治療を継続しても数日以内の死亡が予想される
4.悪性疾患や回復不可能な病気の末期であることが判明した場合
 の4つが示された。

また、終末期と判断した場合に延命治療を継続するか中止するかの判断は、家族が同意している場合は、患者本人の生前の意思に従うとした。

しかし、家族の意思が明らかでなかったり判断できない場合は、家族や関係者の納得を得て、医療チームが治療中止の是非や時期を判断。患者本人の意思が不明で、家族とも接触できない場合は、医療チームで慎重に判断する、とした。

延命治療中止の方法としては、
1.家族立ち会いのもとで、人工呼吸器、ペースメーカー、人工心肺などを中止
2.人工透析や血液浄化などの治療を行わない
3.呼吸管理・循環管理の方法の変更
4.水分や栄養の補給の中止
 の4方法を示した。


「終末期」の定義が示されても、「本当に不可逆的だったのか?」「本当に回復不可能だったのか?」とご家族などの方々に問いただされるようなことがあった場合、裁判になるなどのことが想像される。

今後も議論がされるでしょうが、果たして本当に実行力をもったガイドラインができるのか、難しいところではないでしょうか。

また、積極的な"安楽死(尊厳死)"は認めないという方向性で議論は進んでいるようです。飽くまでも"延命治療中止"ということだそうです。