タレントの向井亜紀さんと元プロレスラーの高田延彦さん夫妻が代理出産でもうけた双子の男児の出生届の受理を求めた家事審判の許可抗告審で、最高裁第2小法廷(古田佑紀裁判長)は23日、東京都品川区に受理を命じた東京高裁決定を破棄する決定をした。出生届不受理が確定した。

昨年9月の東京高裁決定を不服として、品川区が法令解釈に関する重要な事項を含む場合などに認められる許可抗告を申し立て、最高裁が審理していた。

同高裁決定によると、向井さん夫妻は平成16年1月、米国人女性が代理出産した双子の出生届を提出。品川区が不受理としたため、受理を命じるように求めて家事審判を申し立てた。

東京家裁は不受理を支持、申し立てを却下したが、東京高裁は「血縁関係は明らかで、親子と認めた米国の確定裁判を承認しても公序良俗に反しない。不受理だと法律的に受け入れる国がなくなり、子の福祉を優先すべきだ」と判断した。
(向井亜紀夫妻の出生届、不受理が確定 最高裁)


向井亜紀さんの不妊治療の話はドラマ化もされ、子宮頸癌が妊娠16週に明らかになったにもかかわらず、「出産できるまで待ってください」と涙ながらに医師に懇願した姿は、非常に衝撃的だった。

しかし、結果的には妊娠継続をあきらめ、2000年11月21日広汎子宮全摘出手術を受けた。そして、代理母出産を求めるため、アメリカへと渡った。しかし、2度、体外受精・代理母サンドラの胎内に入れ着床を試みるが失敗。自身のHPで「放射線治療の影響もあり卵子の質が落ちているらしい。第三者による卵子提供についても勉強をはじめようと思う。」と胸のうちを綴っていた。

「我が子が欲しい」その一念が結実した結果、ようやく子供を抱くことが出来た。その想いを、司法も汲んで欲しかったと思うのだが、最高裁の判断は厳しいものだった。

今後、こうした事例が予想されるが、今回の裁判はそうした人たちの希望を摘んでしまうことになってしむだろう。

【関連記事】
間下このみ、抗リン脂質抗体症候群を乗り越え女児出産

妊娠していると気づかずに、判明後2日で出産した女性