頭がズキズキ痛む、胃がムカムカする、体がだるい…。二日酔いのこんな症状が、実は体からの悲鳴や警告だという。
 
二日酔いは、お酒の飲みすぎからくる臓器の機能異常。ひとつの単純な病気と考えることはできない。二日酔いの症状に個人差があるのはそのためで、症状は、体の弱いところにでます。二日酔いは、体からの危険信号とのこと。
 
1)頭痛
例えば、日本酒に含まれるアデノシンや赤ワインに含まれるチラミン、ヒスタミンなどは血管を拡張させ、片頭痛など、頭痛を起こしやすい人は、注意が必要だ。
頭痛には、胃にやさしい頭痛薬(消炎鎮痛薬のアセトアミノフェンなど)を飲むこと。カフェインには、拡張した血管を収縮させる働きがあるので、牛乳をたっぷり入れたコーヒーを飲むのもいい。

2)胃のむかつきや吐き気
二日酔いの胃のむかつきや吐き気は、高濃度のアルコールは、胃の血管を収縮させ、胃の血流を悪くする。そのため、胃の粘膜が傷つき、胃炎を起こしているのが原因。アルコール度数が高くなるほど、ダメージは大きくなります。
胃を守るには、空腹での飲酒は避ける。アルコールに対する防御能力が落ちるから。強い酒は、薄めて飲むようにするといい。胃に二日酔いの症状がでたら、ガスターなど胃酸の分泌を抑える薬や、スクラルファートなど胃の粘膜を保護する薬を服用する。これらの薬を、飲酒の前に飲んでおくことで、予防効果もあります。
 
3)倦怠感
体の倦怠感は、肝臓が大量のアルコールを分解するのに精いっぱいで、体のエネルギー源となる糖を作る働きがおろそかになるため。ほかに、アルコールで麻痺した脳が回復しきっていないことも考えられる。
 
酒の飲みすぎは、内臓を傷つける。肝障害を起こす危険性もある。二日酔いの症状とは、「体の中はアルコールによる洪水で廃墟になっているのと同じ状態なんです。体からの警告をきちんと受け止めることが大切とのこと。
 
二日酔いの最大の防御策は「飲みすぎないこと」。適量は、「日本酒なら1〜2合まで。時間をかけて飲むこと」。
(【大人くらぶ】お花見でも飲み過ぎ危険!二日酔いは体からの警告)



…ですが、ついつい飲み過ぎてしまうのが本当のところ。
飲む前の胃腸薬や水割りなどは薄めて飲む、などのほかに、飲み過ぎてしまったときに摂るといいのが、以下のようなもの。

1)水分[スポーツドリンク、ミネラルウォーターなど]
まずはアルコール代謝で消費された水分の補給を。スポーツドリンクなら、不足しているビタミンやミネラルも一緒に補うことができるが、普通の水でももちろんOK。

2)果糖[オレンジジュース]
オレンジに含まれる果糖はアルコールの分解を早め、ビタミンCはアセトアルデヒドの分解を促進してくれる。

3)タンニン、カタラーゼ[柿]
タンニンは胃の粘膜を収縮させ、アルコールの吸収を穏やかにする。カタラーゼなどの酵素はアルコールの代謝を活発にさせる作用がある。さらにビタミンCも豊富。

4)タウリン[シジミの味噌汁]
シジミに含まれているタウリンが肝臓の解毒作用を促し、アセトアルデヒドの分解も促進。また、メチオニンというアミノ酸やビタミンB12、グリコーゲンには肝機能を高める作用が。

5)クエン酸[梅干]
各栄養素がアルコール分解に使われ、体の細胞は一時的にエネルギー不足になってしまう。そんなときはクエン酸をとり、エネルギーを生み出す回路(クエン酸回路)を活発にはたらかせよう。

6)カフェイン[コーヒー]
カフェインの覚醒作用により、頭がシャキッとする。またアセトアルデヒドの代謝を促進したり、利尿作用によって老廃物を体内から追い出したりする作用も。

…対処療法ですが、苦肉の策としてこうした方法があると覚えておくと良いかもしれません。クエン酸は私も「飲み過ぎた」というときには頼りますが、効くように思います。試してみてはいかがでしょうか。

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