奈美悦子さん 46歳(発症当時)

今から10年前、女優業に加えバラエティ番組にも出演、多忙ながらも充実した日々を送っていた奈美悦子さん。ある日、言いようのない不安に襲われ、なぜか涙が止まらなくなってしまいました。

数日後、朝起きると、とてつもないだるさを覚えた奈美さん。芸能界の大先輩・加賀まり子さんから「更年期障害かも知れないから、一度調べてみた方がいい」とアドバイスされますが、「更年期は閉経後」と勘違いしていた奈美さんは、聞き流してしまいました。こうして更年期の罠にはまり込んだ奈美さんは、その後も様々な症状に襲われることになったという。

症状としては、
1)不安感
2)倦怠感
3)イライラする
4)強い不安感
5)冷え性
6)顔のほてり
7)幻覚
8)激しい動悸
9)呼吸困難

更年期障害は、ホルモンの分泌バランスが崩れることにより起こる症候群です。主に閉経期の50歳前後ころの女性に起こります。

症状としては、
・自律神経失調症様の症状
めまい、急な動悸、冷や汗が出る、緊張するようなところではないのに脈が速くなる(頻脈)、動悸がする、血圧が激しく上下する、耳鳴りがする、腹痛、下痢、微熱など。
・精神症状
情緒不安定、不安感やイライラ、抑うつ気分など精神的な症状が現れることも多い。

「更年期障害」は、女性ホルモン・エストロゲンが急激に減少する、いわゆる更年期に発生しますが、実はこのエストロゲンは、30歳をピークに誰でも徐々に減り始めているのです。そして、エストロゲンが減ると、血管の収縮と拡張の調整がスムーズに行かなくなり、ほてり、足のむくみ、肩こりなど、様々な症状を引き起こします。だからこそ、更年期の前でも、不定愁訴と呼ばれる症状があったら要注意です。

更年期障害と向き合うことができるようになったのは、医師にされたアドバイスがきっかけという。

「更年期障害は恥ずかしいことではないんですから、隠す必要はありません。まずは身近な人にご自分のことを打ち明けて下さい。」そして、奈美さんは息子、倖大さんにこう言いました。「私更年期障害って言われたの。時々イライラしたり、気分が悪くなったりするかも知れないけど、更年期障害だから、そこんとこ一つよろしく!」自分では大変だと思っていた更年期障害を、何でもない事のように受け入れてくれた倖大さん。そんな息子のさり気なさが、奈美さんの気持ちを一気に楽にさせてくれたといいます。

治療法としては、ホルモン療法が有効とされています。その他、漢方薬や精神安定剤を使って治療することもあります。それ以上に、周囲の人たちの理解が重要だと、いう声もあります。内に秘めて悩むよりも、積極的にコミュニケーションをとるということが大切とのことです。