結核の特効薬として有名な抗生物質ストレプトマイシンを生み出す放線菌「ストレプトミセス・グリセウス」の全遺伝情報(ゲノム)を、東京大と北里大、国立感染症研究所の研究チームが解読し、このほど開かれた日本農芸化学会で発表した。

ストレプトマイシンは1944年、米国のワックスマン博士によって発見され、第2次大戦後の混乱期に多くの結核患者の命が救われた。

ストレプトミセス属でゲノムが解読されたのは3種目。DNAサイズは約855万塩基対で、遺伝子は7138個あった。これまで知られていない化合物を作る遺伝子が見つかり、新薬開発につながる可能性があるほか、さまざまな抗生物質を生み出すメカニズムの解明に役立つと期待される。 
(発見から60年余、ゲノム解読=ストレプトマイシンの生産菌−東大と北里大)


ストレプトマイシンは最初に発見されたアミノグリコシド類であり、結核の治療に用いられた最初の抗生物質だそうです。放線菌の一種Streptomyces griseus に由来します。

ストレプトマイシンはタンパク質合成を阻害することによりバクテリアの成長や代謝を停止させます。具体的には、バクテリアのリボソーム上の 23S rRNA に結合し、代謝を担うあらゆるタンパク質の合成、つまりリボソーム上でのポリペプチド鎖の合成の開始を阻害するそうです。ヒトは真核生物であり、原核生物であるバクテリアとは異なる構造のリボソームを持つため、選択的にバクテリアに効果を与えるとのこと。

ストレプトマイシンは経口で投与できず、筋肉注射を行わなければならないのも有名ですかね。

副作用としては、他のアミノグリコシド系抗生物質と同様に第芝梢牲弌⊃嫗,紡个垢詁農を持つので、副作用として難聴、腎障害等が現れます。かつては、ストレプトマイシンによる難聴は「ストマイ難聴」と呼ばれたそうです。

ゲノム解析が終了したようなので、これからは新薬開発への応用が期待されます。

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