第一三共は18日、国内で開発中の吸入型インフルエンザ治療薬の有効性を確かめる臨床試験(治験)を11月から始めると発表した。効き目が長く、1回吸い込むだけでインフルエンザウイルスの増殖を抑える効果が期待できる。今年末からの流行期間中に約300人に投与する。2008年末から、より大規模な治験を実施し09年末の承認申請を目指す。
 
この薬は「CS―8958」(開発番号)と呼ぶ。中外製薬のタミフルや英系グラクソ・スミスクライン(東京・渋谷)のリレンザと同じ「ノイラミニダーゼ阻害剤」と呼ぶ種類の薬。細胞内で増殖したウイルスが外に出るのを防ぐ。先行する2品は5日間続けて使う必要がある。吸入薬のリレンザは医師から使い方などの説明を受ける必要があり、飲み薬のタミフルが約98%のシェアを握る。
(第一三共、吸入型インフルエンザ治療薬の治験――11月開始)


今あるリレンザは、シェアからいうとタミフルから大きく離されています。今回のノイラミニダーゼ阻害薬が果たしてどこまでシェアを伸ばすことができるのか、注目です。

ノイラミニダーゼ阻害薬(Neuraminidase inhibitors)は細胞膜表面にあるノイラミニダーゼ(NA)を阻害する抗ウイルス薬の総称です。

体内でのインフルエンザウイルスの増殖過程において、感染細胞からのインフルエンザウイルスの脱殻に必要なノイラミニダーゼを抑制することでインフルエンザウイルスの増殖を抑制します。

ちなみに、ノイラミニダーゼを持たないC型インフルエンザには無効です。

ノイラミニダーゼ阻害薬の登場以前から使われていたM2蛋白阻害薬ではA型インフルエンザにしか有効でないのに対し、A型/B型インフルエンザの双方に有効である。ザナミビル(商品名:リレンザ)、オセルタミビル(商品名:タミフル)などがあります。

効果に違いがあるのかどうか、タミフルは異常行動との関連性が疑われることから、期待されます。

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