小児科医や患者団体の「薬害タミフル脳症被害者の会」(軒端晴彦代表)らが21日夕、京都市内で開催中の日本小児科学会の会場で、転落死などインフルエンザ治療薬「タミフル」の副作用問題に関する集会を開いた。参加者らは、副作用被害の実態把握を呼び掛けるとともに、タミフル服用後に起きた異常行動の体験などを報告した。

大阪府立呼吸器アレルギー医療センターの高松勇・小児科部長らが企画し、約50人が参加した。

体験報告したのは、05年末にタミフルを服用後、自宅で大声を上げて暴れ両親に押さえられた男子高校生や、服用後に呼吸が突然止まって死亡した3歳の男児の母親ら。

高校生は「服用後に転落死した人と自分に違いはない。僕は自宅に両親がいたから、助かった」と訴えた。

「被害者の会」は集会に先立ち、小児科学会の別所文雄会長と面会。タミフルの副作用に関する国への報告や診断書の作成、タミフル問題でのシンポジウム開催などを求める文書を手渡した。別所会長は「学会理事会で検討したい」と答えたという。
(タミフル:副作用、実態把握呼びかけ 被害者の会が集会)


タミフル販売元の中外製薬から厚生労働省に報告された副作用が疑われる約1,800件の事例のうち、「暴れる」「動き回る」など何らかの異常な行動を起こしていたケースが100件以上に上ることが分かっている。

被害者の会の呼びかけにより、より詳細な報告や調査が行われたり、問題点の洗い直しがなされるのではないでしょうか。

タミフルへのイメージが大幅に変化し、10代の使用規制が行われた。インフルエンザ治療薬のシェア98%を占めるタミフルのことだけに、詳細な調査が求められる。今後の被害者の会の動向が注目される。

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