東京都は28日、八王子市の精神科病院「駒木野病院」(原常勝院長)の入院患者が嘔吐や下痢、発熱の症状を訴え、保健所が調査した結果、ノロウイルスが原因の食中毒と断定したと発表した。

発症者は患者42人で、いずれも「シダックスフードサービス」(本社調布市)直営の院内の給食施設で調理された食事を取っていた。八王子市はこの給食施設を7日間の営業停止処分とする。
(病院給食で42人食中毒 ノロウイルスが原因)


ノロウイルス(Norovirus)は、非細菌性急性胃腸炎を引き起こすウイルスの一種です。カキなどの貝類による食中毒の原因になるほか、感染したヒトの糞便や嘔吐物、あるいはそれらが乾燥したものから出る塵埃を介して経口感染します。

症状の始まりは突発的に起こることが多く、夜に床につくと突然腹の底からこみ上げてくるような感触と吐き気を催し、吐いてしまうことが多い。それも一度で終わらず何度も激しい吐き気が起り、吐くためにトイレのそばを離れられないほどだそうでする。

無理に横になろうとしても気持ち悪くて横になれず、吐き気が治まった後は、急激且つ激しい悪寒が続き、さらに発熱を伴うこともある。これらの症状は通常、1、2日で治癒し、後遺症が残ることはありません。ただし、免疫力の低下した老人では、死亡した例(吐いたものを喉に詰まらせることによる窒息、誤嚥性肺炎による死亡転帰)も報告されています。

また感染しても発症しないまま終わる場合(不顕性感染)や、風邪と同様の症状が現れるのみの場合もある。よく、「嘔吐、下痢、腹痛を伴う風邪」という表現がありますが、それはノロウイルスなどによる感染症である可能性も低くなく(エンテロウイルス等の他の原因もある)、単なる風邪ではない場合があります。ただし、これらの人でもウイルスによる感染は成立しており、糞便中にはウイルス粒子が排出されています。

2007年現在、ノロウイルスに有効な抗ウイルス薬は存在しません。下痢がひどい場合には水分の損失を防ぐために輸液などを対症療法的に用いる場合があります。

また止瀉薬(下痢止め)の使用については、ウイルスを体内にとどめることになるので用いるべきでないと言う専門家もいます。医師の指示がなく、仕事等の生活上でも特に必要でない場合は下痢止めの服用は避けるのが賢明だという説もあります。日本国厚生労働省は止瀉薬使用を望ましくないと記載していますが、ここまでに明言しているのは米国FDAとは対称的です。

スポーツドリンクなどで、十分に水分を摂って休むしかない、ということしかできないそうです。

これからの時期、十分に食中毒などにはお気をつけ下さい。

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