皮膚にごくわずかな電流を流すと電気刺激でかゆみが起こる現象を利用して、東北大学医学系研究科皮膚科学分野の相場節也教授と小沢麻紀研究員が、アトピー性皮膚炎などかゆみを伴う病気の新しい診断方法の開発に取り組んでいる。

小沢研究員らは、通常、電流を流して手足のまひの状態などを調べる市販の検査装置を使用。健康な12人を対象に、最高1・5ミリアンペアの電流で電気刺激を与えた結果、この装置でかゆみを誘発できることを確認した。

病気で皮膚が過敏な状態になると普段より少ない電流でもかゆくなる一方、症状が改善すればかゆみを起こすのに必要な電流は増えるとみられ、皮膚の状態を電流で把握できる可能性があるという。

アトピー性皮膚炎の場合、見た目は正常な皮膚でも、かゆみが起きやすいかどうかの診断は難しい。

この装置を使って継続的に測定すれば、肌の状態が把握しやすくなり治療にも役立つという。

相場教授は「電流という分かりやすい尺度で、皮膚が、どの程度かゆみに過敏なのかを推定できる。装置は簡単に利用でき、安全性も高い」と述べ、早期の実用化を目指している。
(アトピー診断に朗報!皮膚のかゆみを電流で把握)


アトピー性皮膚炎の場合、かゆみ→掻く→皮膚が傷つき、かゆみに敏感になる→掻く→さらに、かゆみに敏感に…という悪循環に陥ってしまいます。

ですから、初期段階でどれだけ痒みが強いかを把握することで、病気が進行することを防ぐことが出来るかも知れません。

特に、冬場などの乾燥する時期は、痒みが強くなってしまいます。しっかりと保湿剤などを用いて、乾燥させないことが重要です。また、痒いときには、掻かずに、アイスバッグなどで冷やすと、痒みがひきます。とにかく、引っ掻いたりして、肌を傷つかないようにご注意を。

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