不眠症の影響は、その人の睡眠習慣により異なるようだ。「夜更かし族」は、早寝を好む人より不眠症のもたらす身体的、精神的苦痛が大きく、また、全体的な睡眠時間は比較的多いにもかかわらず、不眠症に対するストレスの強いことが米国の研究で明らかになった。
 
米スタンフォード大学(カリフォルニア州)睡眠障害クリニックのJason C. Ong氏らは、1999〜2004年に同クリニックでグループ行動療法を開始した外来患者312人(うち女性は60%)を対象に、不眠症になる前の睡眠スケジュールの好みを聞き、「早起き群」、「夜更かし群」、「中間群」に分類した。その後、消灯時間、覚醒回数、睡眠時間帯で起きていた時間、睡眠の質、全睡眠時間、服用した催眠薬を1週間記録した睡眠日記を検討。さらに、抑うつ、欲求不満、不眠症や睡眠全般に対する否定的思考の検討など一連の心理学的測定を行った。

その結果、夜更かし群は、早起き群や中間群に比較して、睡眠時間帯にベッドにいない時間が長く、より睡眠不足を感じることが明らかになった。また、就寝起床習慣に一貫性がなく、不眠症による抑うつ気分やストレスが強かった。夜更かし群は、不眠症の影響や睡眠をコントロールできないため、多く眠ることを選択し、結果的に睡眠時間が長くなっていた。覚醒回数や睡眠薬の使用、睡眠の質では、グループ間に違いは認められなかった。この傾向は男女とも同じだった。

Ong氏は、個々人の睡眠スケジュールが各々の不眠症に関連しているが、今回の知見は、それぞれの因果関係を明らかしたわけではなく、睡眠時間の好みと不眠症の関連性のみを示しただけであるとしている。研究では、コルチゾールやメラトニンの血中濃度、睡眠中の体温の変動などは測定されておらず、睡眠パターンに影響を及ぼす疾患患者も含まれていた。ただし、こうした点を考慮しても、同氏は「研究結果が患者特有の “不眠症プロファイル”に合わせた治療につながる」としている。
(不眠症の影響は夜更かし族でより大きい)


不眠症とは、平常時と比較して睡眠時間が短くなり、身体や精神に不調が現れる病気である。睡眠障害の一種です。

不眠症の症状は寝つきが悪い(入眠困難)、夜中に目が覚める(中途覚醒)、眠りが浅い(熟睡困難)、朝早く目が覚める(早朝覚醒)の4タイプにわけられます。

その原因は、
1)内科的疾患によるもの
 心疾患 - 狭心症、心不全など
 呼吸器疾患 - 気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患、睡眠時無呼吸症候群など
 消化器疾患 - 逆流性食道炎、胃潰瘍など
 内分泌代謝疾患 - 甲状腺機能亢進症、クッシング症候群など
 脳神経障害 - 脳血管障害、パーキンソン病など
2)精神疾患によるもの - 躁うつ病、統合失調症、不安障害など
3)泌尿器疾患によるもの - 夜間頻尿をきたす疾患
4)痛みや痒みによる不眠 - 整形外科的疾患、掻痒性皮膚疾患など
5)薬剤の副作用によるもの、アルコール連用
 などがあげられます。

解決法としては、
1)休日を含め、毎日同じ時間に起きること。起きたら太陽の光を浴びること。
→網膜への光刺激が、覚醒を促す。

2)夕方以降は激しい運動をしない(神経を高ぶらせる)。日中の適度な運動は不眠症に効果的。
→運動はストレスの軽減にも役立ちます。

3)睡眠薬は医者や薬剤師の指示を守り、勝手に中断しないこと(減量法、離脱法を守ること)。
→リバウンド現象が起こってしまいます。本来睡眠薬は不安を軽減して睡眠をもたらすという効果をもちますが、効果が切れた後、一時的に逆に不安感や不眠状態を強めてしまうという現象が見られることがあるります。これは特に即効性があって切れの良いものに多いです。このような現象が服薬のジレンマを深めていることになってしまいます。

4)無理に寝ようと意気込まない。
→焦燥感や不安感を高めてしまいます。眠くなってきたところでベッドにはいるのがコツとのこと。

5)寝る前にカフェインをとらない。
→神経を高ぶらせてしまいます。逆に、ホットミルクが効果的といわれています。

6)ゲーム・テレビ・ネットなどは脳への刺激が強いので寝る1時間前にはしない。
→ついつい楽しくて、時間を忘れてしまう、ということもあるので、これは守った方がよさそうです。

…これらを行っても、睡眠障害の解決が難しい場合は、専門外来などを尋ねた方がよさそうです。

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