大相撲の大関栃東(30)=本名志賀太祐、東京都出身、玉ノ井部屋=が7日、東京都足立区の玉ノ井部屋で記者会見し、「気力がなくなった」と正式に引退を表明した。
 
栃東は3月の春場所で頭痛を訴え、途中休場。精密検査で過去に脳梗塞を患っていたことが判明し、医師から引退を勧められたという。「(現役を)やりたい気持ちもすごくあったが、頭のことがあって前向きな気持ちになれなかった」と語った。今後は年寄「栃東」として玉ノ井部屋で後進を指導し、父で師匠の玉ノ井親方(元関脇栃東)の定年退職後に部屋を継承する。

栃東はおっつけ、はず押しを武器に2001年九州場所後に大関に昇進した。新大関の02年初場所で初優勝し、序ノ口から各段すべてで優勝。肩や両ひざのけがに苦しみ大関から関脇に2度落ちたが、史上初めて2度とも復帰した。春場所まで大関を30場所務め、優勝3回を記録した。
(「脳梗塞」判明で気力衰え 大関栃東引退 30歳、優勝3回)


脳梗塞とは、脳の細動脈に血栓、凝固塊、脂肪塊、石灰片、腫瘍塊などが詰まって血流を止めてしまうため、脳細胞が壊死する病気です。

脳梗塞には脳血栓と脳塞栓の2通りがあります。血栓は血液凝塊が血管内にできて、その部位に留まっているもの。塞栓は、血液凝塊が発生した部位から体の他の部位に移動して詰まらせるものです。動脈硬化などがあると詰まりやすく脳梗塞になりやすいとされています。

脳梗塞は、壊死した領域の巣症状(その領域の脳機能が失われたことによる症状)で発症するため症例によって多彩な症状を示します。麻痺や感覚障害、小脳または脳幹の梗塞や失調、意識障害や構音障害・嚥下障害などが症状としては有名ですね。

脳梗塞の症状は、徐々に進行して増強してくるものから突然に完成するものまであります。

栃東さんの場合、緩徐に進行していたのではないでしょうか。
生活習慣病の糖尿病、高血圧、高脂血症による動脈硬化で脳の太い動脈や頚動脈が詰まるタイプで特に睡眠時に多く発症するアテローム血栓性脳梗塞というタイプであると考えられます。脳梗塞全体の34%ほどです。

引退後はご静養なさり、高血圧などの治療をなさっていただきたいと思います。

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