発見が難しく、生存率も低い膵臓ガン(以下、膵ガン)の死亡率が過去50年間で40倍近くにも増えており、毎年2万人以上が亡くなっています。膵ガンは特に喫煙と関係があり、禁煙を10年以上続けると発症リスクは非喫煙者並みに減るとも言われています。

膵がんは60歳頃から増えるガンで、高齢化に伴って1960年代から80年代後半まで増加、その後は横ばいまたは漸増傾向にあります。死亡率(人口10万人当たりの死亡数)は男性の方が高く、女性の1.7倍です。1950年の死亡率はわずか0.5でしたが、2004年には19.4と39倍も増加、すべてのガン死亡数のなかで第5位となっています(男性の場合)。

膵臓は胃の後ろにある長さ20センチメートルほどの臓器で、消化液を十二指腸に分泌し、また血糖を調節するホルモンを作りだしています。膵ガンになると、黄だんや左肩、腰などの痛み、下痢などの症状が出ることもありますが、自覚症状がないこともあります。症状が出た時点ではかなり進行しているケースが多く、5年生存率も10%程度と非常に低いのが特徴です。

喫煙が膵ガンの危険因子であることはほぼ確実なようで、喫煙者は非喫煙者に比べて1.5〜2.5倍程度も発症リスクが高く、10年間以上禁煙すれば非喫煙者と同じ程度のリスクまで下がるといわれています。

50歳代前の愛煙家は今からでも禁煙したいものです。最近の研究によると、ビタミンDを1日当たり400IU以上摂取すると、膵ガンの発症予防に効果があるという報告も出ています。

また2センチメートル以下の膵ガンであれば、外科手術や放射線、化学療法などで5年生存率が37%にまで上がりますので、人間ドックなどで腹部エコー検査などを受け早期発見を心がけましょう。
(この40年で10倍に増えた膵臓ガン)


膵臓は膵液を産生する腺房、膵液を運ぶ膵管、および内分泌腺であるランゲルハンス島などからなりますが、膵癌の約90%は膵管から発生する膵管癌(ductal cell carcinoma)である。通常「膵癌」といえば膵管癌を指します。

そのほか稀なものとして、膵内分泌腫瘍(pancreatic endocrine tumor)、膵管内乳頭粘液性腫瘍(intraductal papillary mucinous neoplasm; IPMN)などがあります。IPMNは浸潤性膵管癌の発生母地となることが知られており、慎重な経過観察を必要とします。

危険因子としては、
1)喫煙
2)肉やコーヒーの過剰摂取
3)肥満および膵炎、胆石症、糖尿病
4)家族因子
5)年齢(50〜70歳代が高リスク)

などがあります。
症状としては、上記の通りです。
腹痛、体重減少、黄疸、耐糖能異常などが主な症状ですが、初期には無症状のことが多いです。進行癌になると背部痛、腹痛、下痢が出現しますが、これは癌が膵臓にとどまらず周囲に広がったことを示します。

膵頭部(膵臓の右側)の癌では皮膚や尿の黄染で発症することもありますが、これは腫瘍が総胆管を閉塞して黄疸が出現するためです。
一方、膵内分泌腫瘍は種々のホルモン(インスリン、ガストリン等)を分泌し、低血糖や消化管潰瘍などの特徴的な症状を呈します。

進行度によって手術、全身化学療法、放射線療法、あるいはこの組み合わせて行われます。治癒切除(癌を取りきること)が可能であれば手術が第一選択となります。

ともかく、禁煙によって、禁煙10年で発症リスクが減少するとのこと。
今からでも、禁煙してみませんか。

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