病院で働く研修医や非常勤医の時間外労働は月平均73時間にのぼり、「過労死ライン」とされる月80時間を超す医師も4割以上いる――。病院勤務医の労働実態について、日本医療労働組合連合会がこんな調査結果をまとめた。

昨年11月〜今年3月、アンケート形式で前月の勤務について聞いた。回答したのは33都道府県の約180病院に勤める常勤医1124人(推定平均年齢42歳)、研修医130人(同27歳)、非常勤医91人(同32歳)。

時間外労働は、常勤医の月平均60.4時間に対し、研修医73.3時間、非常勤医73.2時間。月80時間を超す時間外労働も研修医の40.5%、非常勤医の48.5%にみられた。

一方、研修医で時間外手当を請求しているのは16.2%に過ぎなかった。「宿直は月4回以上」「当直明け後も勤務」とした研修医も、それぞれ7割を超えた。

04年に始まった臨床研修制度では、新卒医師が自分で研修先を決められるようになり、研修に専念するため一定額の収入を保証、アルバイト診療を禁じるなど、待遇改善が期待されている。

医労連は「新研修制度になっても、過酷な勤務は変わっていない」としている。
(研修医の4割、「過労死ライン」を超す時間外労働)


過労死とは、周囲からの暗黙の強制のもとで長時間残業や休日なしの勤務を強いられる結果、精神的・肉体的負担で、突然死することです。

心筋梗塞、脳出血、クモ膜下出血、急性心不全、虚血性心疾患などの脳や心臓の疾患が原因で起こることがあります。近年、過労死は40-50歳代〜30歳代にまで広がり、女性にも増えています。最近のトピックスとしては、長時間労働によるうつ病や燃え尽き症候群に陥り、自殺する医師もニュースになりました。

労働基準法では、法定労働時間を1日につき8時間、1週につき40時間と定め、これを超える場合には労使協定を締結することを義務づけており、この上限時間も原則1年間につき360時間と定めています(労働基準法第32条、平成10年労働省告示第154号)。

研修医の平均が、これを大きく超えているという状況は、働く当事者達からは、なかなか声を上げられない以上、研修医を単に「安くて若い労働力」として見るのではない新制度の確立が必要になると思われます。

【関連記事】
日本医学会「適性に欠ける若者は医師を志すな」と対話シンポ

勤務医の9割が医師不足訴え 9割以上が疲労感