本当は怖い家庭の医学で取り上げられていました。

マンションの理事会役員が回ってきたため出席したところ、いきなり理事長に選ばれてしまったM・Tさん。

もともと人前に出るのが苦手な彼女の脳裏には、この時、ある記憶が蘇っていました。それは中学時代に作文を朗読した際、周りの視線が気になり異様に緊張して、しどろもどろになってしまった体験。以来そういう場面は極力避け、結婚してからも大事なことは全て夫任せという生活を送ってきた。

1ヵ月後、理事長になった初めての会合で出席者からの視線を痛いほど感じた上、大量の汗が吹き出し耐えられなくなってしまいます。それ以来、仮病を使って理事会を休むようになってしまった彼女ですが、その後もさらなる異変に襲われます。

姪っ子の結婚式でスピーチを頼まれますが、そのスピーチ中にひどく手が震えてしまい、ついには式場を飛び出してしまう。異変を感じ、ついには夫に連れられて病院に行って、彼女に告げられた病名は、社会不安障害でした。

彼女に現れた症状は、
1)人前で喋るのは嫌い
2)緊張すると大量の汗
3)不安な事を避ける
4)人前で字が書けない
5)手が大きく震える


人前で話をしたり、初対面の人と接する時の緊張は社会不安と呼ばれ、特に治療を要することはありません。ですが、この社会不安が高じて、生活上の支障がでたり、ひどく悩む状態を社会不安障害と言います。

昔から、「対人恐怖症」と言われた患者さんがいらっしゃいましたが、その大部分の方々がこの診断がつくと考えられます。

うつ病やアルコール依存症、パニック障害を併発してしまうという問題もあるそうです。

番組では、患者さんの多くが、10代の多感な時期に経験した「極度の緊張」をきっかけに発症すると言っていました。脳の扁桃体という部分を過敏にするようになり、強い緊張を感じやすくなってしまうようになってしまうとのこと。

M・Tさんは投薬後、なんとか人前に立ち、話せるようになったようです。
社会生活に支障のある方は、我慢することなく、一度、心療内科で相談されることが推奨される、と締めくくられていました。

【関連記事】
本当は怖い手のしびれ−多発性硬化症

女性が気をつけるべき病・【膠原病】関節リウマチ/シェーグレン症候群