米タフツ大学ニューイングランド・メディカルセンター(ボストン)のJoshua Cohen氏らの研究グループは、天然痘ワクチン、アレルギー治療のための抗ヒスタミン薬(毎年4カ月服用)、心血管疾患予防のためのアスピリン、統合失調症薬clozapine、多発性硬化症薬Tysabri(一般名natalizumab)、すでに販売停止となっている鎮痛薬Vioxx(一般名rofecoxib)の6種類の薬剤による死亡リスクを評価し、さらに薬剤とは無関係の行為によるリスクと比較した。

結果は以下のとおり:
・アスピリン服用による死亡リスクは、車の運転または消防士の仕事と同程度である。

・VioxxまたはTysabriによる死亡リスクは、自動車の利用、トラック運転手の仕事、ロッククライミングと同程度である。

・アスピリン、clozapine、TysabriおよびVioxxによる死亡リスクは乗用車を運転するリスクとほぼ同じである。

・あらゆる交通手段のうち、死亡率がVioxx(10万人年あたり76人)を含めどの薬剤よりも高かったのはオートバイのみであった(10万人年あたり450人)。

・アスピリン、clozapine、TysabriおよびVioxxの年間死亡リスクはいずれも消防士および警察官の仕事(10万人年あたり約11人)と同じかそれ以上である。最もリスクの高い職業は伐採業で、どの薬剤よりも大幅に高かった(10万人年あたり360人)。

・ロッククライミングの死亡リスクはclozapineと同程度で(10万人年あたり36人)、ヒマラヤ登山のリスクはどの薬剤よりも高かった(10万人年あたり1万3,000人)。

・ 参考までに、オートバイに乗る人の死亡リスクは乗用車に乗る人の40倍、タクシー運転手の死亡リスクは消防士の3倍であった。(10万人年あたり1万3,000人)。
(アスピリン服用と車の運転はどちらが危険か)


純粋なアスピリンのみの死亡リスクや、運転することでの死亡リスクなど、どのように算定したのか興味があるところです。

もちろん、「一方に喫煙者が多かった」というようなことは補正されているでしょうが、純粋に死亡リスクを算出するというのは本当に可能なんでしょうか。

遺伝的な問題や体質、環境など、ヒトを取り巻くリスクファクターというのは、本当に多岐にわたると考えられます。"アスピリン服用による死亡リスク"="車の運転または消防士の仕事のリスク"というのは、ちょっと疑問が残りますが、面白い評価ではないでしょうか。

同様に、"医師の業務全般にまつわる死亡リスク"や"各科ごとの死亡リスク"も知りたいところです。果たして、他の業種と比べて、高いのでしょうか?

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