「負けないで」などのヒット曲で知られる人気グループ、ZARDのボーカル、坂井泉水さんが27日午後3時10分、脳挫傷のため東京都新宿区の慶応義塾大学病院で死去した。40歳。神奈川県出身。葬儀・告別式は近親者のみで行い、所属事務所が後日、お別れの会を開く予定。喪主などは未定。

所属事務所によると、坂井さんは26日朝、入院していた同病院の階段で足を滑らせて踊り場(高さ約3メートル)から転落、頭部を強打した。坂井さんは子宮頸がんを患い、昨年6月から闘病生活を送っていた。手術を受けて一時は退院したが、転移が発覚して今年4月に再入院していたという。警視庁四谷署は事故と自殺の両面で調べている。
(ZARDの坂井泉水さん転落死 脳挫傷で)


脳挫傷とは、頭部を強打するなどの要因によって外傷を受けた際に、頭蓋骨内部で脳が衝撃を受けて脳本体に損傷を受ける病態のことです。

外傷を受けた側の脳は局所的に障害を受ける事に対して、外傷とは反対側の脳表面が広範囲にわたって障害を受ける事を脳挫傷と言います。これは外力によって慣性を付けた柔らかい脳が自分の硬い頭蓋骨に内側からぶつかって広範囲に挫滅するためと考えられます。

小範囲、限局性の脳挫傷の予後は良好ですが、挫傷が広範囲であったり、挫傷脳中に巨大な脳内血腫を形成したりすると予後は不良です。

症状としては、脳内出血などを併発する事が多いです。嘔吐・意識障害・運動麻痺・痙攣発作などの症状が起き、たとえ治癒した場合も半身麻痺・失語・視力障害など後遺症の残ることが多いです。

損傷範囲が広い場合が多いうえに、神経細胞の分裂能も極めて低いので基本的に手術などは適さず、保存的治療が試みられる。しかし出血が多い場合などには手術などを要します。

坂井さんは26日早朝、日課の散歩から自分の病室に戻る途中、前日の雨で濡れた手すりに腰掛けていて地面に落下し、頭を強く打ったとのことです。手すりは1メートル前後で胸の位置ほどの高さだったそうです。

不慮の事故としかいいようが無く、非常に残念です。ご冥福をお祈りしたいと思います。

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