スイス系製薬会社のノバルティスファーマは禁煙に関するアンケート調査の結果を発表した。1年以内に禁煙に挑戦した人は2724人おり、このうち6割は「気合いとガマン」で禁煙に挑んでいた。一方、医療機関の禁煙外来を受診した人は3.6%。禁煙外来の治療内容について知らないとの回答は39.1%で、認知度が低いことが明らかになった。
 
禁煙方法で上位に並んだのは「水を飲む、ガムをかむなどして紛らせた」「たばこを捨てた」など。「喫煙者を避けた」との回答も5.3%あり、苦労して禁煙に取り組んでいる様子がうかがえる。
(経験した禁煙方法「気合とガマン」6割)
タバコは中枢神経作動薬であるニコチンを含み、ニコチンには明らかな依存性があることが知られています。例えば動物実験において、レバーを押すことでニコチンを静脈内投与するような仕組みを作ると強化行動が起こります。

喫煙の依存性は、喫煙者のうち5割以上の者が禁煙の失敗を経験しており、禁煙の成功率は5〜10%程度であるといわれています。その多くの原因が、禁煙を始めた際の離脱症状であり、自覚的にはニコチンへの渇望が生じます。喫煙に対して依存性を示す者は「喫煙でリラックスできる」と表現しますが、実際は離脱症状を喫煙によって一時的に緩和しているに過ぎません。

現在は、禁煙の普及が社会的に進められており、喫煙者は肩身の狭い思いをしてらっしゃるのではないでしょうか。ですが、禁煙の成功率は低く、挫折してしまった方も多いのではないでしょうか。そういった方々には、是非とも、禁煙外来などを利用して"治療"していただきたいと思います。「気合いとガマン」で乗り切るのは難しいのではないでしょうか。

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