積水化学グループの第一化学薬品(東京都中央区)と東芝は15日、子宮頸がんの原因とされるウイルス(ヒトパピローマウイルス=HPV)の有無と種類(ウイルス型)を短時間で判別できる医療用体外遺伝子検査薬「DNAチップ」を開発、先月末に市販化手続きの薬事申請を行ったと発表した。認可が得られ次第、チップおよび検査装置の製造販売を始める予定で、早ければ2008年度に売り出す。HPVの種類を判別する医療現場向けの量産DNAチップの商品化は、世界でも初めてになる見通しだ。

子宮頸がんは20代後半から40代前後までの患者が多いもっとも一般的な子宮がんで、新規患者数は世界で47万人(WHO推定、00年)。国立がんセンターによると、早期診断による治療が極めて有効で、「0期」と呼ばれる早期発見・治療では再発の心配のない完治が可能という。

今回のDNAチップは、子宮頸がんの90%以上から検出されるHPVのうち、発がんとの関連性の高い13種類の一括判別が約75分(うち検査準備約60分)の短時間でできる。発がんウイルスの遺伝子を特定することで、効果的なワクチン治療なども行いやすくなるため、子宮頸がん対策に大きく役立つことが期待できそうだ。また、東芝が開発した独自の電流検出方式によって、光学系の検出機構を必要としないDNA測定を実現。検査装置サイズも50・6×57・3×49センチに小型化した。

現在、DNAチップの市場規模は研究向けに国内で約50億円、世界でも約500億円にとどまる。しかし、感染症診断や遺伝子治療への本格的な応用で10年前後には国内で200億円、世界で1000億円以上への拡大が見込まれている。
(子宮頸がん原因ウイルス検査薬を市販へ−東芝と第一化学)


子宮頸癌(Cervical cancer)とは、子宮頸部と呼ばれる子宮の入り口に生じる癌です。

ほとんどの子宮頸癌は扁平上皮癌であり、これらは発生原因が科学的に解明されています。上記の通り、ヒトパピローマウイルス(HPV)の長期間の感染により発症することが最近の研究で明らかになっています。

HPVには、100以上もの種類があり、皮膚感染型と粘膜感染型の2種類に大別されます。子宮頸癌は、粘膜感染型HPVの中でも高リスク型HPVと呼ばれている一部のHPVが、長期間感染することによって引き起こされます。

HPVは性交渉により感染するウイルスであり、性交経験のある女性では誰でも感染する可能性があります。ほとんどの女性は、感染履歴を有すると考えられます。HPVに感染しても多くの場合は、免疫力によってHPVが体内から排除されます。HPV感染の大半は2年以内に自然消失しますが、約10%の人では感染が長期化(持続感染化)します。

HPVが持続感染化するとその一部で子宮頸部の細胞に異常(異形成)を生じ、さらに平均で10年以上の歳月の後、ごく一部(感染者の1%以下)が異形成から子宮頸癌に進行してしまいます。

DNAチップによって、発ガン性の高いHPVの感染が明らかとなり、ワクチン治療などが行えれば、子宮頸癌の効果的な予防ができると思われます。ぜひとも広まって欲しいと思われます。

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