ソニーのグループ会社「ソニー・クリエイティブプロダクツ」(東京)は15日、米国のメーカーが手掛ける子どもに人気のキャラクター「きかんしゃトーマス」の玩具の一部商品の塗料に、米国の安全基準を超える鉛が含まれていたとして日本で出荷した約4万3000個を無償で自主回収・交換すると発表した。玩具は中国製という。
 
回収対象は「トーマス木製レールシリーズ」の「ジェームス」や「はね橋ベーシックセット」など11商品で、平成17年4月以降に販売した分。
 
現在まで健康被害などの報告はないという。製造元の「RC2」(イリノイ州)から12日に連絡があり、13日から出荷先の玩具店や百貨店などの店頭から撤去を始めた。「RC2」から自主回収の届け出を受けた米消費者製品安全委員会(CPSC)によると、対象は約150万個に達する。同委員会は塗料に含まれる鉛が健康被害を引き起こす恐れがあるため、幼児の手が届かぬようにすることを求めている。
(中国製品の有害物質、お次は「トーマス」)


小さなお子さんは、剥げた塗料のかけらを口にして、鉛中毒を発症することがあります。鉛は、脳、神経、腎臓、肝臓、血液、消化管、生殖器官など体のさまざまな部分に影響を与えます。発達中の神経系は最も障害を受けやすいため、特に小児の感受性は高くなっておりますので、注意が必要です。

血液中の鉛の濃度が非常に高い状態が数日間続いた場合は、突発的な脳の障害(脳症)が起こります。これより低い濃度でも、長期間続いた場合には、長期的な知的障害を起こすことがあります。

軽度の鉛中毒では、多くの場合、症状はありません。症状がみられる場合も、数週間後かそれ以上経過してから現れます。症状は周期的に再燃することもあります。鉛中毒の典型的な症状としては、性格の変化、頭痛、感覚の喪失、脱力、金属的な味を感じる、歩行困難、食欲不振、嘔吐、便秘、激しい腹痛、骨や関節の痛み、貧血(貧血: はじめにを参照)などがあります。腎臓障害は、しばしば無症状のうちに進行します。

年少の小児の場合は、ぐずったり、活発に遊ばなくなったりする状態が数週間以上続きます。突然脳症を発症し数日間で悪化することがあり、持続的な激しい嘔吐、錯乱、不眠を起こしたり、最終的にはけいれん発作や昏睡を生じます。

治療は、これ以上体内に鉛を取りこまないようにすることと、体内に蓄積された鉛を取り除くことです。キレート療法といって、鉛の除去には鉛に結合する薬を投与して、尿中に排出させます。

親御さんは、是非ともご注意下さい。

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