中国で先週末から株価が急落したことで、株安にショックを受けた広東省の70代の男性投資家が証券会社の店内で突然死亡した。心臓病の専門家は「心臓に持病がある高齢者にとり、株取引は健康に良くない」と注意を呼び掛けている。
 
地元メディアによると、男性は退職した元政府幹部。昨年末から株式投資を始め、毎日のように証券会社に出掛けていたが、株価が下落した25日午前、突然倒れて亡くなった。医師は「心筋梗塞」と診断。知人の投資家は「もともと心臓が弱かったが、株価が急落したことで倒れたようだ」と話している。
 
政府が5月末に証券取引の印紙税を3倍に引き上げたことで中国の株価は急落、今も急落前の水準に回復していない。最近は利上げ懸念が強まり、上海株式市場では22日と25日の2営業日で約7%も急落。
(株急落でショック死? 証券会社で中国の男性)


心筋梗塞とは、心臓が栄養としている冠動脈の血流量が下がり、心筋が虚血状態に陥り、壊死などの傷害された状態をいいます。

冠動脈の血流が減少するのは、主に動脈硬化などの何らかの要因によって狭窄を起こすことによります。心筋が虚血状態に陥っても壊死にまで至らない前段階を狭心症と言います。狭心症から急性心筋梗塞までの一連の病態を総称して「急性冠症候群」(acute coronary syndrome; ACS)と言う概念が提唱されています。

発病のリスクは、以下のようなものがあります。主に、冠動脈の狭窄を起こす動脈硬化などが原因となります。
・喫煙
・高コレステロール血症(特に高LDLコレステロール血症)
・糖尿病
・高血圧
・加齢(男性45歳以上、女性65歳以上)
・ストレス
・肥満
こうしたものがリスク因子としてあげられます。

今回のケースでは、心臓に持病がある高齢者とのことで、もともと心筋梗塞の発病因子をもっていたようです。さらに、追い打ちとなるように株の急落によるストレスがあったようです。

適度なドキドキ感や株の勉強は、老化防止には良いかもしれませんが、過度のストレスはこうしたことを招いてしまいます。心臓の弱い方は、ご注意なさった方が良いかもしれませんね。

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