テレビドラマ「月光仮面」の探偵助手役などで知られた俳優でコメディアン、谷幹一(本名・西村昌明)さんが25日午後2時28分、脳出血のため東京都新宿区の病院で死去した。74歳だった。

谷さんは24日午後7時ごろ、東京・赤坂の自宅で大ファンだったプロ野球巨人戦を観戦中に倒れ、意識不明の状態でいるところを妻のたま子さん(76)が発見。救急車で都内の病院に搬送されたが、意識は戻らず、たま子さんや実妹など親族に見守られる中、息をひきとったという。

20代から腎臓結石を患い、5,6年前には腎不全と診断された。医師から人工透析を勧められたが、「透析をすると通院のために仕事ができなくなる」と俳優業を優先してきた。
 
今年2月下旬には東京都中央区の三越劇場で行われた舞台「TOMORROW〜こころの翼をひろげて〜」で元気な姿を見せていたが、4月に体調が悪化。以降は人工透析を受けていたという。
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脳内出血とは、その名の通り大脳、小脳および脳幹の脳実質内に出血した状態です。その出血により、意識障害、運動麻痺、感覚障害などの症状が現れます。血腫が大きくなると脳浮腫によって頭蓋内圧が高くなって、脳ヘルニアを起こし、場合によっては脳幹部が圧迫されて亡くなってしまいます。

大きく分けて高血圧性脳内出血と、非高血圧性脳内出血に分類されます。
高血圧性脳内出血が70%と大部分を占めます。出血部位により、被殻出血、視床出血、皮質下出血、脳幹出血、小脳出血に更に細分化され、発症部位により症状は異なります。

最も頻度が高いのは被殻出血と視床出血で、この2つで全体の約4分の3を占めるそうです。一般的には頭痛、嘔吐、意識障害、片麻痺などが起こってきます。

谷さんの場合、慢性腎不全の既往があったとのことで、高血圧症を合併されていらっしゃったのではないかと考えられます。救命率が低い疾患であるだけに、高血圧のコントロールなどで予防が重要であると思われます。闘病されながら、ハードな舞台をこなしてらっしゃったようです。ご冥福をお祈りいたします。

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