入院・療養していた俳優・中尾彬さんが7月01日「サンデージャポン」のワンコーナーにゲスト出演した。

その中で、急性肺炎および横紋筋融解症によって入院していたときのことが語られた。まず、発病した当初は、レギュラー番組に出る予定だった日の朝、「マネージャーからの電話に出ることが出来なかった」と、その病状の重さを語った。その後、救急車で運ばれ、「1週間の間、ずっと集中治療室にいた」と説明した。

「地獄からはい上がってきました」の一言のように、生死の境をさまよった、と感じていたようだ。


横紋筋融解症とは、骨格筋(いわゆる筋肉)の融解や壊死によって、筋細胞内の成分が血中に流出してしまう病気です。

症状としては、筋肉痛や筋の腫脹、四肢の脱力、疼痛、しびれ、痙攣などが下腿を中心に出現します。また、筋肉から流出したミオグロビンによって尿が赤褐色になり、場合によってはそれによって尿細管壊死などを起こしてしまう可能性があります。また、発症後急速に進展し、急性腎不全から多臓器不全を併発し死に至る場合が多い重篤な疾患です。

原因としては、骨格筋を損傷するすべての要因、特に外傷が主立ったものとなります。
マラソンや体操などの激しい運動
[外傷性]
・事故時の筋肉の挫滅
・激しい運動
・外傷

[非外傷性]
・てんかん発作
・薬剤(高脂血症治療剤やニューキノロン系薬剤)
・感染症
・震えを伴う悪寒
・暑熱、熱射病
・アルコール中毒(筋肉の振戦を伴う場合)

こうした結果、横紋筋融解症となってしまうことがあります。

診断としては、
・尿検査では円柱とヘモグロビンが見られる
・血中ミオグロビン検査(+)
・血清ミオグロビン検査(+)
・クレアチンフォスフォキナーゼは非常に高値
・血清K高値(細胞の破壊により流出)

治療としては、
1)水分補給(ミオグロビンの尿からの排出)
2)利尿剤の投与(ミオグロビンの尿からの排出)
3)高カリウム血症に対する治療

を行います。予後は、発症した腎障害の程度によります。元気な姿をみせてくれた中尾さん。今後も体にお気をつけになって、お仕事をお続けになってほしいと願っております。

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