ニューヨーク市は1日、揚げ物用の調理油などに含まれる「トランス脂肪酸」(TFA)の使用規制を施行した。市内の計約3万2000の飲食施設は同日から、調理油などのTFAの量を1食当たり0.5グラム未満に抑えるよう義務付けられる。こうした規制導入は全米で初めて。
 
ファストフードなどに多く含まれるTFAは多量に摂取した場合、血中の悪玉コレステロールを増やし、肥満や動脈硬化などの危険性を高めるとされ、全米最大都市ニューヨークの健康志向の取り組みが注目を集めている。
 
市によると、規制に違反したレストランなどは2000−200ドル(24万6000−2万4600円)の罰金を科される。1日の正式施行に先立ち、油を切り替えた店も少なくなく、地元メディアは比較的円滑に移行が進んでいるようだと伝えた。
 
来年7月からは調理油などだけでなく、すべてのメニューに含まれるTFAの量を、1食当たり0.5グラム未満に抑えるよう義務付ける。
(全米初、NY市が「トランス脂肪酸」規制施行)


トランス脂肪酸は、上記の通り、多量に摂取するとLDLコレステロール(悪玉コレステロール)を増加させ心臓疾患のリスクを高めるといわれ、(自主)規制が進んでいるようです。

トランス脂肪酸は、不飽和脂肪酸を多く含む植物油の精製の際に、副産物として生じてしまうものです。そのため、不飽和脂肪酸を多く含む油脂を水素化して製造するショートニング、マーガリン、ファットスプレッドに含まれています。

トランス脂肪酸を多く含む食品として硬化油があります。硬化油とは、融点の低い不飽和脂肪酸を多く含む油脂(魚油など)に水素付加を行うことで飽和脂肪酸に変換して常温で固体にしたものです。この水素付加の過程で副産物としてトランス脂肪酸が生成します。

あまり聞き慣れないかも知れませんが、硬化油はファーストフードの調理用油に多く使用されている(いた?)ようです。というのも、この硬化油は「カリっ」と揚がるため、べたつかず、重宝されているようです。

今後は、ファーストフードにも「健康志向」が求められるようです。消費者にとっては、好ましい傾向ではないでしょうか。

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