2007年07月04日

胃がん見逃し患者死亡、医師に4100万円賠償命令

名古屋市天白区の男性(当時51)が2002年4月に胃がんで死亡したのは、病院側が適切な措置をせずに治療が遅れたためとして、遺族が同市天白区の男性開業医(45)を相手取り、総額約8900万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が4日、名古屋地裁であった。永野圧彦裁判長は病院側の注意義務違反などを認め、約4100万円の支払いを命じた。
 
判決で、永野裁判長は「レントゲン検査でがんの存在が強く疑われたのに、他の医療機関で精密検査を受けるように指導するなどの義務を怠った」と述べた。その上で被告が適切に指導していれば早期にがんを発見し「男性が生存していた可能性が高い」として死亡との因果関係も認めた。

判決によると、男性は01年、胃の不快感などを訴えて受診した。レントゲン検査の結果、胃がんでなく胃かいようなどの疑いにとどまると判断されたが、その後、別の病院で胃がんと診断。02年4月に死亡した。
(胃がん見逃し患者死亡、医師に4100万円賠償命令)


胃癌が疑われると、まずは胃の内視鏡検査や胃X線検査を行います。胃がんの広がりを調べる検査としては、胸部X線、腹部超音波、CT、注腸検査などがあります。

胃X線検査では、バリウム(硫酸バリウム)を飲んで、X線で胃の形や粘膜の状態を見ます。途中で発泡剤を飲んで、胃を膨らませます(これは、二重造影法と呼ばれます)。二重造影法は空気や炭酸ガスにより胃を膨らませ、体位変換によってバリウムで胃壁粘膜を洗い、バリウムを粘膜面に薄く均等に付着させて撮影する方法です。

二重造影法で、発泡剤による気体で膨らんだ胃に少量のバリウムを塗りつけると、胃の皺が見事に描出されます。この技術により、胃潰瘍、胃癌はもちろん、早期胃癌まで発見することが可能になったそうです。ただし欠点としては、後壁粘膜の微細病変の診断に有効ですが、隆起性病変および前壁病変の描出に弱いそうです。

胃癌の所見としては、辺縁が凹凸不整な陰影欠損像や透亮像や、不整形のニッシェ、陰影欠損中のニッシェ、ひだの中断、胃壁の伸展性の不良、巨大ひだなどはいずれも悪性を示唆するので内視鏡による精検が必要です。

ちなみにニッシェとは、消化管X線撮影において、消化管壁にできた組織欠損部にバリウムが入った状態をいいます。側面像では、壁から突出した形となり、正面像はバリウムのたまりとして描出されます。

こうした所見を見逃してしまうと、癌を「みすみす見逃した」ということになってしまい、精査を受ける機会を逸してしまうことになります。詳しい所見が不明なので、診断が難しい状況かどうかはわかりませんが、検査をした以上、やはりこうした所見は見逃してはならない、ということなのでしょうね。

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