医療サービス会社が「あなたの血はドロドロです」と無資格で診断していた事件で、同社は高額納税者リストの中から対象にする高齢者を選び、不安をあおって高額のサービスや投資などの契約を次々と結ばせる「次々販売」を展開していたことが分かった。
都内の高額納税者リストをもとに高齢者を狙い、電話やダイレクトメールで「無料の血液検査」に誘う。無資格のスタッフが採血後、血液画像を示し「(血液が)くっついている。これはひどい」と不安をあおる。「がんになると考えれば安い」などと130万〜250万円もする鍼灸などのサービスに勧誘する。都消費生活部は「詐欺罪を警戒してか病名を告げるなど明らかなうそは避け、入会しないと重病になると巧みに思い込ませた」と指摘する。
フォーチュンパシフィックホールディングス社が勧誘を本格化させた平成14年、都消費生活総合センターに「何度断っても勧誘された」などの相談が寄せられるようになった。14年度に8件だった相談は、15年度36件▽16年度51件▽17年度74件−と年々増え、昨年末までで計227件に上った。
相談者の平均年齢は67歳で、最高齢は85歳。グループ会社を通じて中国への不動産投資を募り、「利益が出ないまま別の投資を勧められた」との相談も寄せられた。契約額は平均318万円で、4300万円払ったケースもあった。高額になったのは、フォ社がグループ内で「次々販売」を展開したためだ。
(ドロドロ血商法、「次々販売」を展開 高額納税リストから高齢者探す)
「血液サラサラ」とは血液の流動性に関して、キャッチコピーとして使われているであろう言葉です。菊池佑二さん(食品総合研究所)と栗原毅さんが提唱しました。そもそも、毛細血管を円滑に流れる血液が「サラサラ血液」、毛細血管を円滑に流れない血液が「ドロドロ血液」と定義づけされています。
本来の検査としては、血液流動性測定装置(MCFAN)を用います。これは、毛細血管を模擬し、血液の流れを直接顕微鏡観察・記録が出来る装置です。テレビ番組などで、細い線の間を血球が流れている様子をみたことがあると思いますが、アレです。実際には「赤血球が形を変える能力(変形能)を観察」しているといえます。
実際、血液の流動性検査としては、その医学的な妥当性には疑問が多いとされています。まず、血液を検査するためには採血して体外に血液を出す必要があります。このとき、血液は空気に触れると凝固をおこしてしまいます。そのため、採血する際には、血液に抗凝固剤を入れます。つまり、検査のために採血した血は「固まらない血」です。さらに、「ドロドロ」だからどうなるといった根拠も、さほどデータの集積がないとのことです。
しかも、上記のニュースだとこうした装置を使っておらず、"採血後、血液画像を示し「(血液が)くっついている。これはひどい」とあおる"ということなので、血液をプレパラート上に乗っけて、単に見ただけ、というもののように思われます。こんなことで、果たしてどれほどの医学的根拠があるのか、非常に疑問です。
血液流動性検査は、糖尿病や高脂血症など生活習慣病の患者において、目に見える形で示せるので患者教育には利用しやすいとされています。ですが、医学的根拠に基づいて医療を行うべき立場にある医師が、商売目的のために根拠の無い医療を行うのは道徳的に問題があると言わざるをえないでしょう。実際、これらの検査は保険適用外です。
さらに、商品を買わせるためにこうしたことを用いるなど、言語道断の行いです。しっかりとこうした事実を認識し、騙されないようにご注意下さい。
【関連記事】
「血液ドロドロですね」と不安を煽る悪徳商法の手口
ミリオンセラー「病気にならない生き方」に科学的根拠はない?
都内の高額納税者リストをもとに高齢者を狙い、電話やダイレクトメールで「無料の血液検査」に誘う。無資格のスタッフが採血後、血液画像を示し「(血液が)くっついている。これはひどい」と不安をあおる。「がんになると考えれば安い」などと130万〜250万円もする鍼灸などのサービスに勧誘する。都消費生活部は「詐欺罪を警戒してか病名を告げるなど明らかなうそは避け、入会しないと重病になると巧みに思い込ませた」と指摘する。
フォーチュンパシフィックホールディングス社が勧誘を本格化させた平成14年、都消費生活総合センターに「何度断っても勧誘された」などの相談が寄せられるようになった。14年度に8件だった相談は、15年度36件▽16年度51件▽17年度74件−と年々増え、昨年末までで計227件に上った。
相談者の平均年齢は67歳で、最高齢は85歳。グループ会社を通じて中国への不動産投資を募り、「利益が出ないまま別の投資を勧められた」との相談も寄せられた。契約額は平均318万円で、4300万円払ったケースもあった。高額になったのは、フォ社がグループ内で「次々販売」を展開したためだ。
(ドロドロ血商法、「次々販売」を展開 高額納税リストから高齢者探す)
「血液サラサラ」とは血液の流動性に関して、キャッチコピーとして使われているであろう言葉です。菊池佑二さん(食品総合研究所)と栗原毅さんが提唱しました。そもそも、毛細血管を円滑に流れる血液が「サラサラ血液」、毛細血管を円滑に流れない血液が「ドロドロ血液」と定義づけされています。
本来の検査としては、血液流動性測定装置(MCFAN)を用います。これは、毛細血管を模擬し、血液の流れを直接顕微鏡観察・記録が出来る装置です。テレビ番組などで、細い線の間を血球が流れている様子をみたことがあると思いますが、アレです。実際には「赤血球が形を変える能力(変形能)を観察」しているといえます。
実際、血液の流動性検査としては、その医学的な妥当性には疑問が多いとされています。まず、血液を検査するためには採血して体外に血液を出す必要があります。このとき、血液は空気に触れると凝固をおこしてしまいます。そのため、採血する際には、血液に抗凝固剤を入れます。つまり、検査のために採血した血は「固まらない血」です。さらに、「ドロドロ」だからどうなるといった根拠も、さほどデータの集積がないとのことです。
しかも、上記のニュースだとこうした装置を使っておらず、"採血後、血液画像を示し「(血液が)くっついている。これはひどい」とあおる"ということなので、血液をプレパラート上に乗っけて、単に見ただけ、というもののように思われます。こんなことで、果たしてどれほどの医学的根拠があるのか、非常に疑問です。
血液流動性検査は、糖尿病や高脂血症など生活習慣病の患者において、目に見える形で示せるので患者教育には利用しやすいとされています。ですが、医学的根拠に基づいて医療を行うべき立場にある医師が、商売目的のために根拠の無い医療を行うのは道徳的に問題があると言わざるをえないでしょう。実際、これらの検査は保険適用外です。
さらに、商品を買わせるためにこうしたことを用いるなど、言語道断の行いです。しっかりとこうした事実を認識し、騙されないようにご注意下さい。
【関連記事】
「血液ドロドロですね」と不安を煽る悪徳商法の手口
ミリオンセラー「病気にならない生き方」に科学的根拠はない?