2007年07月14日

臭素とは:代ゼミで異臭騒ぎ 化学の授業中「臭素」こぼす

13日午後9時半ごろ、東京都渋谷区代々木の予備校大手「代々木ゼミナール」本館4階の総合教室で、「化学の授業中に薬品をこぼした」と119番通報があった。警視庁原宿署によると、生徒9人がのどの痛みを訴えたが、いずれも軽傷で病院には搬送していないという。
 
同署によると、薬品は劇物指定もされている「臭素」だった。同日午後8時20分ごろ、臭素のサンプルが入ったボトルを落とした教員が水をまくなどの処理をしていたが、生徒は気化した臭素を吸い込んだとみられている。
(代ゼミで異臭騒ぎ 化学の授業中「臭素」こぼす)


臭素は、1826年にアントワーヌ・バラールによって海水中から発見されました。ギリシャ語の悪臭 (bromos) が名称の由来とのことです。

精神的な興奮状態を鎮める作用があるため、19世紀においては興奮制の精神病の治療薬、鎮静剤、性欲抑制剤として臭化カリウムなどの臭化物を用いたそうです。ですが、毒性(人間には3g/日で有毒、35〜350g/日で致死量)があるため、現在ではほとんど用いません。

工業的には、写真の感光材として、臭素の化合物臭化銀が用いられています。このため、印画紙のことを英語では bromide paper と呼びます。これが転じてアイドル等の写真であるプロマイドの語源となったそうです。

また、一般にハロゲンを含む炭化水素は燃えにくい性質があり、航空機、新幹線車両などの内装材には、これらの布、樹脂が多用されています。

臭素は、本質的には塩素の作用と同じ(同じハロゲンであるため)で、眼や上気道の粘膜を刺激するそうです。多量に被曝すれば肺浮腫を起すことがあります。皮膚につくと潰瘍を起こしてしまいます。

揮発性が強く腐食作用が大きく、これを吸うと粘膜を刺激し、炎症を起こしてしまいます。今回のケースでは、こうしたことが起こってしまったようです。再発防止のために、措置の考慮や取り扱いには十分にご留意いただきたいと思います。

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