神戸大と神戸薬科大は17日、教育や研究をめぐる提携協定に合意し、調印式を行った。両大学は将来、連合大学院の創設も目指している。

神戸薬科大の棚橋孝雄学長は「国立の総合大学と私立の単科大学の提携は例がない。協定は両大学の発展に貢献する」と意気込みを見せた。神戸大の野上智行学長も「医薬の分野で補完しあって協力関係を築きたい」と述べた。

平成19年度から既に、大学院での単位互換制度を開始。神戸大病院では、薬剤師として神戸薬科大教員の受け入れを計画している。20年度には神戸大の修士課程に「専門薬剤師養成コース」を設け、両大学の教員が合同授業をするという。
(神戸大と神戸薬科大が提携 「医薬分野で補完」 )


国立大学法人法(平成15年法律第112号)の規定により、2004年4月1日に国立大学は、国立大学法人の設置する大学に移行しました。その目的としては、国立大学は文部科学省の内部組織であったため、大学が新しい取組をしようとするときなどに多くの障害があったため、とのことです。例えば、以下のようなことがあるようです。
・学科名を変えるのにも省令の改正が必要
・不要になったポストを新たに必要となるポストに替えるだけでも、そのつど文部科学省に要求して、総務省や財務省と調整する必要があった。
・資金をどういうことに使うのかはかなり細かく決められていて、研究を進めていく途中で更に資金が必要になった場合でも、別に使う予定のお金から工面することもできなかった。
・教職員は公務員であるため、給与が一律に決められていて仕事に応じて増減させることが難しい。
・民間企業との協力もしにくかった。

といった弊害を改善することができた、とのことです。
ですが一方で、問題もあり、国立大学の法人化に際して国からの支援が縮小されることや、運営に国の干渉が強まることが懸念されていましたが、現在問題になっている点は以下のようなものがあります。
・研究費調達は各大学の自助努力が求められるようになったため、寄付を募るなど運営が私立大学に近いものになってきている。
・毎年政府から交付される運営費交付金は、効率化係数が適用されて漸減することとなっている。したがって、必要な人数の教員や職員を確保できない事態が発生している。

つまり、今までは国に「おんぶに抱っこ」状態でしたが、法人化以降は「資金集め」が必要になった、ということです。研究費の捻出などに追われるようになりました。そこで現在、多くの大学が「産学連携」などが強く言われるようになってきました。

また、生き残りをかけて、神戸大と神戸薬科大のように、提携する方針を打ち出す大学や、学生の少ない科の縮小を図る大学が出てきました。今までであったならば、こうした動きはみられなかったことでしょうが、現在では珍しくなくなりつつある現象のようです。

東京大学ですら、「世界の優秀な学生・研究者を確保するために、海外の拠点を増加」「東大発の研究を実用化するため、企業に投資」「研究成果を上げるため、産業界との連携を強化」など、企業顔負けの改革を進めているそうです。この流れを考えれば、より一層、激しい競争や経営力が必要になると考えられます。まさに、今や世界に通用する研究や経営が求められる時代になっているのではないでしょうか。

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