2007年07月19日

本当は怖い仮面高血圧

本当は怖い家庭の医学で放送された内容です。

中堅商社に勤めるY・Yさん(45歳)は、仕事熱心で部下からも一目置かれる、やり手営業マン。ところが、家に帰ると2年前に結婚した20歳も年下の妻にデレデレの毎日。

そんなY・Yさんにとって最近の悩みは、決まって仕事中に起きる頭痛。頭全体が締め付けられるような痛みに襲われるのです。それから2年、相変わらず職場では頭痛を感じつつも、毎年の健康診断では血圧が少し高めながら、高血圧とは診断されなかったため、特に気にも留めていなかったY・Yさん。しかしその後、また様々な異変に襲われるようになります。

階段を上ったとき、動悸と息切れを感じるようになった。「今までは、こんなことなかったのに」と気に掛かったY・Yさん。だが、健康診断で異常がなかったため、病院には行かなかった。

しばらくして、子供ができた。リビングでくつろいでいると、妻がミルクを子供にやって欲しいと言われた。テーブルに置かれた哺乳瓶をとろうとしたところ、左手にしびれを感じた。さらに、『このミルクで良いの?』と訊こうとするが、ろれつが回らない。そうこうしているうちに、ついには倒れてしまった。病院に運ばれると、脳梗塞と診断された。


仮面高血圧とは、診察室で医師に測定した血圧値は正常血圧であるのに、家庭や職場で自分で測定した血圧値が高血圧となる場合をいいます。診察室や病院では正常血圧とされるために本当の高血圧がマスクされるという意味で、仮面高血圧(masked hypertension)といいます。

仮面高血圧は、高血圧の指摘を受けたことがない未治療の人でみられる場合と、高血圧治療を受けているが降圧薬の持続が短いために生じる場合とがあります。

前者は、職場でストレスの多い中では高血圧となっているのに、健康診断ではストレスから解放されて正常血圧となってしまう、いわゆる職場高血圧がこれに属します。Y・Yさんもこれにあたります。また睡眠中の血圧が下降せず高いまま早朝まで持続する、ノン・デイッパー(睡眠時無呼吸症候群の患者さんに多いそうです)とよばれる人たちもこれに属します。さらに喫煙者は、健康診断や病院ではタバコが吸えなくなるため、その時だけ血管が拡張し、血圧が低く計測されてしまうこともあるそうです。

現在、仮面高血圧の患者は、血圧が正常だと思われている人の中の、10人に1人と考えられています。ご不安な方は、自宅で血圧を計る習慣をもたれるといいかもしれません。

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