21日午前7時15分ごろ、神奈川県中井町井ノ口の山道に止まっていた軽自動車内で、成人の男女と女児計3人が死んでいるのを近所の男性(59)が見つけ、110番通報した。
 
3人に外傷はなく、後部座席に練炭を燃やした跡があるしちりん3個が置かれていたことから、松田署は心中の可能性が高いとみて身元などを調べている。
 
調べでは、男女は30−40代とみられ、それぞれ助手席と運転席で横たわり、2人の間に女児が倒れていた。車は神戸ナンバーで、ドアは施錠されていなかった。
(練炭自殺か 車内で男女と女児の3人死亡)


一酸化炭素は、無色・無臭のガスで、吸いこむと血液中の酸素運搬が阻害され、体の各組織が酸素を効果的に使うことができなくなってしまいます。この状態を、一酸化炭素中毒といいます。

事故などの場合、一酸化炭素中毒が危険なのは、患者が眠気を中毒の症状だとは認識しないからです。そのため軽度の中毒患者が眠ってしまい、重度の中毒や死に至るまで、一酸化炭素を吸い続けてしまいます。長期にわたる暖炉や暖房器具の使用による軽度の一酸化炭素中毒では、インフルエンザやウイルス感染の症状と間違えてしまうことがあります。

軽度の一酸化炭素中毒では、頭痛、吐き気、嘔吐、体調不良が起こってきます。多くの場合、新鮮な空気を吸うことで回復します。
中度の一酸化炭素中毒では、錯乱、意識消失、胸痛、息切れ、昏睡が起こってきます。そのため犠牲者の多くは自力で動くことができなくなり、救助が必要となります。
重度の一酸化炭素中毒は、しばしば死に至ってしまいます。まれですが、重度の一酸化炭素中毒が明らかに回復してから数週間後に、記憶喪失、体調不良、排尿障害(遅延型の神経精神症状とみなされています)が生じることもあります。
練炭自殺をする人が、睡眠薬を飲むのは、頭痛、吐き気、嘔吐などの症状が現れてきて、苦しい思いをしないようにするためのようです。

診断としては、頭痛・耳鳴・めまい・嘔気などの臨床症状と、血中カルボニルヘモグロビン濃度をもって確定します。また、一見、「唇がピンク色になる」など血色がいいように見えるのも特徴的です。頭部CT検査では、脳の浮腫(酸素不足による)や淡蒼球の低吸収域化(チトクロームCオキシダーゼ活性の低下による)がみられるのが特徴的です。

治療としては、軽度の中毒なら新鮮な空気を吸うだけで回復してきますが、重症の場合はフェースマスクを使って高濃度の酸素を吸わせます。酸素は血液中の一酸化炭素を消滅させ、症状を緩和します。純酸素を吸入しても呼吸が不十分な場合は高圧タンク内で酸素を吸入する高圧酸素療法が必要となります。一酸化炭素は、ヘモグロビンと強力に結びつくほか脂肪組織や脳細胞に蓄積される傾向があり、酸素吸入による洗い出しは数日から数十日を要することがあります。

後遺症としてパーキンソニズム(大脳基底核の障害による)やしびれ(異常感覚)を来すことが多いです。また、淡蒼球の壊死や脱髄疾患が徐々に進行することにより、回復したと思われたあとに数日から数週間後に発症する後遺症もあり、高次機能障害、多幸症、パーキンソニズム、意識障害、不随意運動等の症状がみられることがあります。

どこかで、思いとどまることができなかったのか、と悔やまれます。一人は女児であり、幼子の命まで奪う結果になってしまったことに、憤りや哀しさを感じます。自殺率は年々、増加傾向にあり、とくに高齢者に多いと結果が出ています。どうか、誰かにまずは相談してみる、といったことで踏みとどまっていただきたいと思われます。

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