ブッシュ米大統領は21日、結腸がんの定期健診で5つのポリープを切除する処置を受けた。担当医師らによれば、ポリープは小さく、心配の必要はないもよう。ホワイトハウスが発表した。

ホワイトハウスのスタンゼル副報道官は、記者団に対し、ポリープはいずれも1センチ未満で、がんの兆候があるかを見定めるために検査が行われると語った。結果は2―3日内に出る見通しという。

大統領が内視鏡検査を受けている間、米東部夏時間午前7時16分(日本時間午後8時16分)から同9時21分(日本時間午後10時21分)までの約2時間は、チェイニー副大統領に大統領権限が委譲された。ブッシュ大統領は22日に執務に復帰する予定。
(ブッシュ米大統領、定期がん検診で5つのポリープ摘出)


スノー米大統領報道官によって、ブッシュ大統領が21日に大腸の定期検診を受診することが明らかにされ、検査終了まで大統領権限がチェイニー副大統領に一時委譲されると発表されました。

権限の一時委譲は、麻酔使用によるもので、2時間半程度の予定ですが、権限の譲渡をしなければならないようです(米大統領が腸の内視鏡検査 副大統領に一時権限)。

ポリープ(polyp)とは、病理学的に粘膜(上皮細胞)に覆われた管腔臓器に発生する隆起性病変の総称です。胃や結腸直腸など、消化管の粘膜にできるポリープが最多です。

そもそも、ポリープという用語は、内視鏡検査などで観察される隆起性病変全般を形態的に表現するために用いられることが多いです(内視鏡でぽっこりと隆起している部分があり、それを表現する)。ポリープがどのような疾患に相当するか、良性か悪性かの区別なども、内視鏡生検やポリープ切除(ポリペクトミー)などで病変の一部を生検して、病理組織学的検査を行うことが必要となります。

ポリープは大きく分けて、腫瘍性ポリープと非腫瘍性ポリープに分類されます。腫瘍性ポリープは、さらに上皮性(腺腫であり、腺管、腺管絨毛、絨毛から発生します)と非上皮性に分けられます。
非腫瘍性ポリープは、過誤腫(Peuts-Jeghers症候群、若年性ポリープ)、炎症性、その他(過形成性ポリープ、リンパ濾胞性ポリープ)などが含まれます。

腫瘍性ポリープの大部分は良性で、腺腫と呼ばれますが、大きさが増すに従って部分的に小さながんを伴っていることが多くなり、それは腺腫内がんと呼ばれています。すなわち、腺腫の一部は放っておくと、がんになることがあります。腺腫が前がん病変とも呼ばれるのは、このためです。

癌に移行しやすい消化管ポリープは、多発性のものや径が2cm以上のものです。とくに、5mm以上では腺腫のなかに癌の合併がみられことが多いので、内視鏡的切除の対象となります。

何はともあれ、早期に切除できたようです。大腸ポリープは、40歳代から増えはじめ、年齢が上がるほどできやすくなります。自覚症状がないため、気づかない人が多いのですが、60歳代になると2人に1人がポリープを持っているとも言われます。年齢を重ねていくにつれ、人間ドックは重要になってくるようです。

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