肥満になるのを決めるのは遺伝子より友人関係−。友人が肥満になると、自分も肥満になる可能性が高くなり、肥満は友人から友人に感染する、との興味深い調査結果を米ハーバード大医学部などの研究チームがまとめ、米医学誌に発表した。

調査結果によると、配偶者が肥満である場合、自分も2〜4年以内に肥満になる可能性は、そうでない場合に比べ37%高く、兄弟が肥満の場合は40%、友人が肥満の場合は57%それぞれ高かった。お互いを親友と考えている場合、肥満となる可能性はさらに高まった。この傾向は肥満の親友が遠隔地に住んでいて滅多に会えない状況でも変わらず、親しさを感じる度合いが低いと、あまり影響を受けないことも分かった。

同じ食生活を送っているはずの夫婦間より、友人間の“肥満感染度”が高い理由について、研究者の1人は、人は友人の考え方や行動に、より強い影響を受ける傾向があり、「友人が太っていると肥満への許容度が増すからではないか」と解説している。

さらに、逆もまた真なりで、友人や家族がやせるとその本人もやせる傾向が高くなり、ダイエットも単独で行うより、友人同士で取り組むほうが効果があるという。

この研究は1971年から2003年までの32年間にわたり、米東部の約1万2000人の住民を対象に行われた心臓病に関する調査データを基に行われた。住民の家族や友人も調査対象に含まれていたことから、今回の結果を導き出せたという。
(太ったのは遺伝子でなく友人のせい!? )


肥満の生じやすい家系や、いくら食べても太りにくい人というのは、確かに存在します。これは、遺伝的要因の存在があると考えられています。

20世紀終わりに、レプチンというホルモンがエネルギーの消費増加と食物摂取量低下をもたらすという発見がなされ、肥満遺伝子の発見例として話題になりました。レプチンとは、脂肪組織によって作り出され、エネルギーの取り込みと消費の制御に重要な役割を果たす16kDaのペプチドホルモンで、食欲と代謝の調節を行っています。

また、体内に痩せる傾向に働く遺伝子があることがわかっており、β3アドレナリン受容体が関係あると考えられています。β3アドレナリン受容体は、おもに白色脂肪組織と褐色脂肪組織の細胞表面に存在しています。働きとしては、アドレナリン(エピネフィリン)の刺激を受ける役割をしています。

このβ3アドレナリン受容体に変異があるとアドレナリンの刺激を受けることができなくなってしまいます。また、脳の満腹中枢から出る刺激も受け取れなくなり、褐色脂肪組織にも、満腹中枢からの刺激が伝わらないために、エネルギーがうまく消費されず肥満につながります。つまり、β3アドレナリン受容体の遺伝子に変異があると、「基礎代謝量が低い」体になってしまうというわけです。

こうした遺伝的な要因もあるかと思いますが、友人が肥満の場合、太りやすくなると言う結果が出たようです。食生活がより影響されやすい、夫婦よりも太りやすいというのは興味深いです。

また逆に、ダイエットも単独で行うより、友人同士で取り組むほうが効果があるとのことです。「朱に交われば赤くなる」といった諺は、体型にもあてはまるようです。

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