平山あや(23)が主演する映画「Mayu−ココロの星−」(9月29日全国公開)の完成会見が都内で行われた。21歳の若さで乳がんを患いながらも、前向きに生きた女性の成長物語で、元OL、大原まゆさん(25)の私小説が原作。

平山は「私にとって新しい挑戦だった。闘病シーンは苦しかったし、眠れなかった。でも、精いっぱい頑張れました」と胸を張った。松浦雅子監督(46)も「彼女は女優として、ひと皮もふた皮もむけた」と成長に目を細めた。

また、平山は「撮影の前に私も乳がんの検診を受けたので、この映画を通じて同世代の女性に訴えたい」と話した。
(平山あや「ふた皮むけた」 21歳で乳がんと闘う女性演じる)


現在、年間約35,000人の女性が乳癌に罹患しており、女性の20人に1人が乳癌に罹患する計算となります。女性が罹患する悪性腫瘍の第1位です。乳癌罹患者数は1970年の約3倍で、食事内容の変化(脂肪摂取量の増加や初経年齢の低年齢化などで)今後も増加し、2015年には年間約48000人の女性が乳癌に罹患すると予測されています。

年齢別にみた女性の乳がんの罹患率は、20代から認められ、30歳代から増加し始め、50歳前後にピークを迎え、その後は次第に減少します。ですので、30歳からは乳癌検査を受けることが推奨されています。

一般的な乳癌のスクリーニング検査としては、問診、触診、軟X線乳房撮影(マンモグラフィー)、超音波検査等が実施され、臨床的に疑いが生じると、生検が実施され組織学的診断により癌かそうで無いかが判別されます。

ですが、こうした乳癌検診を受ける方は、まだ多くないようです。多くの女性が乳癌に最初に気づくのは、ほとんどが自分で「しこり」に気づいたため、との結果のようです。検診にて発見されるのは、たった2割でしかないと日本乳癌学会の大規模調査で判明しています。

早期がんの発見には、マンモグラフィ検診が有効です。乳癌の死亡率を下げるには、集団検診の受診率を上げることが不可欠とされています。というのも、胸を触る自己診断で見つかる乳癌の大きさは平均約2cmで、自然に気づく場合は3cm以上が多いとのことです。

早期癌は、直径2cm以下とされています。ですが、発見時には43%が2.1〜2.5cmに達しており、発見時にリンパ節に転移していた人も、3分の1を占めています。リンパ節に転移しない乳癌の10年後の生存率は約9割と高いが、転移をしていると7割以下に落ちるといいます。

映画「Mayu−ココロの星−」によって、乳癌検診の重要さが広まり、受診率が上がることが望まれます。

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