米人気ハードロックバンド、キッスのボーカル兼ギタリストのポール・スタンレー(55)が27日、米カルフォルニア州で行ったショーのリハーサル中に心拍数が通常の2倍以上に達したため、ショーへの出演を取り止めた。自身の公式ウェブサイトで明らかにした。

ロサンゼルスの東145キロにあるサンジャシントのカジノで同バンドがリハーサルを行っていた際に、頻脈に見舞われたという。

スタンレーは、自身のウェブサイトに「私の心拍数は1分間に190拍を超えるほどになった。この状態が1時間以上続いたので、救急救命士を呼んで、一瞬心臓を止め、通常の状態に戻さなければならなかった」とコメントした。

スタンレーは、ショーへの出演は危険と助言を受けたため、出演を見合わせた。メンバーのジーン・シモンズがファンに対し、3人でショーを行うと説明、スタンレーにささげる内容に変更した。
(KISSのポール・スタンレー 心拍数190超え公演見合わせ)


頻脈とは、心拍数が増加している状態で、成人の安静にしている時の心拍数は、およそ毎分50〜70回ですが、100回を超える状態を頻脈といいます。

頻脈の原因はさまざまです。病的な意味がない場合でも(たとえば運動、興奮、緊張など)でも増えます、また、発熱、脱水、貧血、呼吸困難、甲状腺機能亢進症などが原因でしばしば100前後の頻脈にもなります。心臓に原因があって不整脈としての徐脈や頻脈になることもあります。原因としては、
・循環血漿量減少:脱水、ショック
・前負荷減少:心タンポナーデ、緊張性気胸、肺塞栓症、原発性肺高血圧症
・代謝亢進:発熱、甲状腺機能亢進症、褐色細胞腫
・交感神経緊張:精神的緊張、過換気症候群
・代償性の交感神経緊張:貧血、心不全、心筋梗塞、呼吸不全、高炭酸ガス血症
・中毒:一酸化炭素中毒、アルコール中毒、ニコチン中毒、シアン化合物中毒

と分類できます。

心拍動に異常があることは、動悸として自覚できます(ただ、動悸の感じ方は、人によって異なります)。また、血圧が下がることがあります。特に200回/分以上の頻脈が1分間以上続くと、めまいや失神を起こすことがあります。これは、頻脈の時には心臓に血液がたまらないうちに次の収縮が始まるため、送り出される血液も少なくなってしまうことが原因です。結果、脳に十分な血流がまわらないために、めまいや失神が起こってくるわけです。

頻脈性不整脈は、大きく分けて二つに分類されます。一つは上室性不整脈、もう一つは心室性頻脈です。これは、簡単に言ってしまえば不整脈の原因となっている部位が心房なのか、心室なのかで分類されます。さらに分類すると、以下のようになります。
1.洞性頻脈
2.上室性・心室性頻拍
3.心房細動・心室細動、心房粗動・心室粗動
4.上室性・心室性期外収縮

ポール・スタンレーさんの場合、どういったことが原因なのかは不明ですが、中には危険な(心室性の不整脈など)頻脈であることもあります。ファンにとっては残念なことかもしれませんが、再び元気な姿を養生後に見せていただきたいと思います。

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