厚生労働省は2日、気管支炎や肺炎などに使う抗生物質「テリスロマイシン」(商品名ケテック)について、服用後に意識を失ったり、肝障害などの副作用が生じる恐れがあるとして、医療機関向けの添付文書に「警告」として載せるよう製薬会社に指示することを決めた。同日開かれた同省の安全対策調査会で報告、了承された。
(抗生物質:テリスロマイシンで副作用の恐れ)


テリスロマイシンは、アベンティス社が開発した世界で初めてのケトライド系経口抗菌薬です。ケトライド系という新しい系統の抗菌薬で、マクロライド系のエリスロマイシンに近い構造で、作用的にも似ています。

幅広い抗菌スペクトルを示し、急性の市中呼吸器感染症、耳鼻咽喉科領域感染症、及び歯科、口腔外科領域感染症に対し、高い臨床効果を有します。グラム陽性菌をはじめ、マイコプラズマやクラミジア、レジオネラなどにも有効ですまた、耐性化が問題となっているペニシリン、セフェムあるいはマクロライド耐性の肺炎球菌にも強い抗菌力を示し、耐性誘導能が低い薬剤であるといわれています。

適応となるのは、以下の通りです。
・咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染
・副鼻腔炎
・歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎

副作用は少ない方であるとされていましたが、肝障害を起こすことがあるようです。また、下痢や軟便、吐き気などの胃腸症状があらわれることもあります。

今後は、こうした副作用に気をつけ、使用する必要があるようです。

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