民主党の小沢一郎代表は2日、党本部で薬害C型肝炎訴訟の原告団と面会し、秋の臨時国会にB・C型肝炎患者への医療費助成を柱とする「肝炎対策緊急措置法案」(仮称)を同党として提出する考えを明らかにした。

会合では全国原告団の山口美智子代表が、早期解決に向けた取り組みを政府に働きかけるよう要望。小沢氏は「立法化を目指し参院で提案し、成立に向けてがんばりたい」と救済に向けた取り組みを約束した。

薬害肝炎訴訟をめぐっては、先月31日に名古屋地裁で国と製薬会社に賠償を命じる判決が出たばかり。小沢氏は「国の対応が決まらずにぐずぐずしている間にどんどん犠牲者が出ている」と政府・与党の対応の遅れを批判した。法案には肝炎から肝臓がんや肝硬変への悪化を防ぐために有効とされるインターフェロン療法への助成などを盛り込む見通し。
(民主党:肝炎対策の法案提出へ 小沢代表明らかに)


上記で問題となっている薬害肝炎は、血液凝固因子製剤(フィブリノゲン製剤、非加熱第IX因子製剤)の投与によるC型肝炎の感染被害のことです。

フィブリノゲン製剤は、血液凝固第I因子であるフィブリノゲンを抽出精製した血液製剤です。国内では、低フィブリノゲン血症しか適応症として承認されていたいなかったにもかかわらず、臨床の現場では、止血剤として気軽に広く非加熱のフィブリノゲン製剤が使われていました。

見直しが行われたのは、1987年3月に青森県三沢市の産婦人科医院で8人が集団感染した非A非B肝炎集団発生事例からです。制約会社は自主回収を開始しましたが、旧厚生省が緊急安全性情報を配布したのは翌1988年であったとのことです。加熱製剤は、HCVには効果的ではなかったため、こうした感染が起こってしまったようです。

第IX因子製剤は、血液凝固第IX因子を抽出精製した血液製剤です。本来は、血友病Bの治療のために開発された製剤ですが、本来適応のない新生児出血(メレナ等)などにも小児医療の現場では使われていました。第IX因子だけでなく、第II因子、第VII因子、第X因子も含まれていることから、第IX因子複合体製剤とも呼ばれます。

1985年にウイルス不活化処理がなされた加熱製剤に切り替えられましたが、その後も非加熱製剤の自主回収が行われなかったことから、1988年頃まで臨床現場で使用されていたと言われています。

こうしたことから、国及び製薬会社の責任について問われましたが、一部の原告に対してHCV感染とフィブリノゲン製剤の因果関係を認定した他は、国、製薬会社に責任は無しとの判断を示しています(第衆子製剤によるHCV感染は、全例棄却されている)。

こうした問題に、しっかりと責任の所在や補償がなされることが望まれます。選挙により情勢が変化し、こうした動きが出てきたことに期待が持てます。

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