厚生労働省は3日、全国146の国立病院で、患者が治療代を払わないために発生した未収金の残高が2007年1月末時点で46億3985万円に上るという調査結果を明らかにした。国立病院の経営を圧迫しているため解決策を検討する。
 
3日に開いた「医療機関の未収金問題に関する検討会」で明らかにした。07年1月末までの1年間で、未収金が発生した理由の9割(金額ベース)は患者の生活困窮。このほか、保険の未加入や医師との診療上のトラブルなども理由に挙がっている。
(全国146の国立病院、未収金46億3985万円に・07年1月末)


未収金増加の原因として、大半の自治体は、
1)所得格差の拡大による生活困窮層の増加
2)医療費の自己負担増
などを挙げているそうです。ほかにも、「治療費が債務だという意識の欠如」「患者のモラル低下」などの指摘もあったとのこと。

対策として、病院側は連帯保証人制や自宅訪問などの対策を講じているそうですが、督促に応じない患者や、他人を装って治療費の支払いを免れる悪質な例も目立っているといいます。

2006年12月26日掲載の読売新聞では、小学生の男児を連れてきた母親が、治療費明細を示されると、「叔母だ」と言い出して支払いを拒んだといった事例があったそうです。以前、母子として診察を受けたことがあり、病院側は支払いを督促しているが、母親は応じようとしないとのこと。ここまでくると、「給食費未納問題」並にモラル低下が起こっているとも思われます。

こうした未収金が増加すると、病院経営が不能になる事態にもなりかねません。未収金は累積欠損金として計上され、その負担は将来、住民に跳ね返ることになります。自らの首を締める結果にもなりかねません。

たしかに、払おうにも払えない患者さんも多いようです。理由としては、病気による失業や事業不振などで支払い困難なケースが未収総額の6割を占めた自治体もあるそうです。ですが、払えるにもかかわらず、払わないケースも存在していることも確か。

今後、払えない家庭に関しては、何らしらかの支援が必要になるでしょう。熊本県の「県立こころの医療センター」は、患者の親族が「家族会」をつくって院内で売店を運営。収益を治療費支払いが困難な家族に貸し付ける制度を導入し、以前は500万円あった未収金を解消したそうです。それよりなにより、国政レベルでの解決策が求められます。

【関連記事】
民主党 肝炎対策の法案提出へ


中核病院の2割が「母体救急態勢が不安」